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「帯状疱疹は治ったのに、痛みだけ残っている…」
帯状疱疹の発疹は消えた。
病院でも「もう皮膚は治っています」と言われた。
それなのに、
- ヒリヒリする
- ピリピリする
- 服が触れるだけで気になる
- 何ヶ月も違和感が続く
そんな状態に悩んでいる方は少なくありません。
「神経が壊れてしまったから仕方ない」
そう説明を受け、不安になっている方もいるかもしれません。
もちろん、帯状疱疹のあとに神経由来の痛みが残ることはあります。
いわゆる「帯状疱疹後神経痛」です。
ただ、臨床では少し別の視点が必要になるケースがあります。
それは、実際には“筋膜性疼痛症候群(MPS)”が混ざっていることがある、ということです。
帯状疱疹後神経痛=すべて神経障害、とは限りません
一般的には、
- 神経が傷ついた
- 神経が過敏になった
- だから痛みが続く
という説明がされることが多いと思います。
もちろん、それ自体は間違いではありません。
ただ実際の現場では、
- 押すと強く痛む場所がある
- 筋肉が硬くなっている
- 姿勢で変化する
- 動くと少し楽になる
- 温めると軽減する
など、「神経障害だけでは説明しきれない痛み」がみられることがあります。
少し意外かもしれませんが、筋肉や筋膜の過敏状態でも“神経痛のような痛み”は起こり得ます。
ここが見落とされていることは、実は少なくありません。
実は「筋膜性疼痛症候群(MPS)」が関係していることがあります
筋膜性疼痛症候群とは?
筋膜性疼痛症候群(MPS)は、筋肉や筋膜が過敏になり、痛みを出している状態です。
特徴としては、
- 特定部位を押すと痛い
- 離れた場所に痛みが飛ぶ
- 深い痛みやヒリヒリ感がある
- 持続的な緊張感がある
といった反応がみられます。
「筋肉の痛み」と聞くと、単なる肩こりのように感じるかもしれません。
ですが実際には、かなり鋭い痛みや、神経痛に似た症状をつくることがあります。
なぜ帯状疱疹のあとに起こるのでしょうか
帯状疱疹の急性期には、強い痛みが出ます。
すると身体は自然に、
- 動きを減らす
- かばう
- 緊張する
- 防御する
という反応を起こします。
これは正常な反応です。
ただ、その状態が長く続くと、筋肉や筋膜が過敏化し、痛みを維持する方向に働くことがあります。
さらに、痛みが長引くと脳は「まだ危険が続いている」と学習しやすくなります。
すると、
- 軽い刺激でも痛い
- 触れるだけで敏感
- 少しの違和感が強く感じる
という状態が続いてしまうことがあります。
つまり、
最初は帯状疱疹による神経痛だったとしても、途中から筋膜性疼痛や過敏化が主体になっているケースもある、ということです。
「神経が壊れているだけ」では説明できないこと
例えば、
- マッサージで少し楽になる
- 温めると軽減する
- 姿勢で変わる
- 呼吸で変化する
- 軽く動くと和らぐ
こうした特徴がある場合、筋・筋膜系の関与が示唆されることがあります。
もちろん、すべてが筋膜性疼痛というわけではありません。
神経由来の要素と、筋膜由来の要素。
両方が重なっていることもあります。
大切なのは、「神経だけ」と決めつけないことです。
視点が増えることで、改善の方向性が見えてくることがあります。
論文ではどのようなことが示唆されているのか
慢性疼痛の研究では、「痛み=組織損傷の大きさ」では説明できないことが以前から指摘されています。
特に、慢性化した痛みでは、
- 中枢性感作
- 感覚過敏
- 防御反応の持続
などが関与すると考えられています。
また、筋膜トリガーポイントが神経障害性疼痛に似た症状をつくる可能性も報告されています。
実際、慢性疼痛患者では神経障害性疼痛と筋筋膜性疼痛が併存している傾向も示唆されています。
ただし、ここには注意点もあります。
筋膜性疼痛症候群は診断基準が完全に統一されているわけではなく、研究によって見解が異なる部分もあります。
そのため、
「帯状疱疹後神経痛の正体は全部MPSです」
と単純化することはできません。
しかし少なくとも、
「神経だけでは説明しきれない痛みが存在する」
という視点は、非常に重要だと感じています。
「もう治らない」と決めつけなくても大丈夫です
長く痛みが続くと、
- 神経が壊れたまま
- 一生このまま
- もう改善しない
そう感じてしまうことがあります。
ですが、
“痛みが残っている”ことと、“今も壊れ続けている”ことは、必ずしも同じ意味ではありません。
身体は変化します。
脳の過敏性も、筋肉の防御反応も、少しずつ調整されていく可能性があります。
特に、筋膜性疼痛や過敏化が関与している場合、「治らない神経障害」とだけ捉えるよりも、改善の余地が見えやすくなることがあります。
ここはとても大切なポイントです。
まずは「痛みの正体を整理する」ところから
帯状疱疹後神経痛と言われていても、
- 神経由来が強いのか
- 筋膜性疼痛が混ざっているのか
- 過敏化が主体なのか
それによって考え方は変わります。
そして実際には、それらが完全に分かれているわけではなく、重なり合っていることも少なくありません。
だからこそ、
「神経だから仕方ない」
だけで終わらせず、一度身体全体の反応を整理してみることには意味があります。
少し意外かもしれませんが、“痛みを正しく理解すること”自体が、身体の安心感につながることもあります。
「神経だから仕方ない」と諦める前に、一度整理してみませんか?
帯状疱疹後神経痛は、確かにつらい痛みです。
ただ実際には、神経だけではなく、
- 筋膜の過敏化
- 防御反応の持続
- 身体の緊張パターン
- 脳の“危険予測”
など、さまざまな要素が重なっていることがあります。
当院では、単に「神経痛」とひとくくりにするのではなく、
- どの組織が過敏になっているのか
- 何が痛みを維持しているのか
- 身体がどんな防御反応を学習しているのか
を丁寧に整理しながらみていきます。
少し意外かもしれませんが、「原因がわからない不安」が減るだけでも、身体の反応が変わっていくことは少なくありません。
もし、
- 「もう治らないのでは」と感じている
- 薬だけでは変化が乏しい
- 本当に神経だけの問題なのか気になる
そんな思いがある方は、一度別の視点から身体を整理してみるのもひとつの方法かもしれません。
痛みを“壊れた結果”だけで見るのではなく、
“今の身体がどんな状態になっているのか”を一緒に確認していく。
そのことが、回復のきっかけになることがあります。
気になることがあれば、一度ご相談ください。







