
目次
筋膜性疼痛症候群(MPS)とは何か
「なかなか取れない痛みが続いている」
「検査では異常がないと言われたのに、つらい」
このような状態で悩んでいる方は少なくありません。
筋膜性疼痛症候群(MPS)は、筋肉に関連して痛みが生じる状態の一つとされています。
特定の部位だけでなく、全身の筋肉に起こる可能性があると考えられています。
ただし少し意外かもしれませんが、この痛みは一般的な検査(MRIやCTなど)でははっきりとした異常として映らないことも多いのが特徴です。
そのため、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、別の診断がつくケースも少なくありません。
よくある誤解「痛み=構造の異常」ではないこともある
痛みがあると、「どこか壊れているのでは」と考えるのは自然なことです。
しかし実際には、
骨・関節・神経だけが原因とは限らないケースも多く見られます。
近年の研究では、運動器の慢性的な痛みには筋肉やその働き方が関与している可能性が示唆されています。
つまり、
「画像に映る異常=痛みの原因」とは限らない、ということです。
ここで一度立ち止まって考えてみてください。
痛みは本当に“壊れているサイン”だけなのでしょうか。
本質的な理解:MPSは「筋肉の機能異常」として捉える
臨床の現場では、筋膜性疼痛症候群(MPS)は
単なる筋肉のコリではなく、筋肉の機能異常として捉えられることが多いです。
特徴的なのは、筋肉の中にできる「しこり」のような部分、
いわゆるトリガーポイントの存在です。
このポイントがあることで、
- 押すと強い痛みが出る
- 離れた場所に痛みが広がる(関連痛)
- 動かしたときに違和感や引っかかりがある
といった症状が現れることがあります。
ここで一度立ち止まって考えてみてください。
同じ姿勢や動作をしていても、
痛みが出る人と出ない人がいるのはなぜでしょうか。
少し意外かもしれませんが、
MPSは単に「筋肉を使いすぎたから起きる」というよりも、
- 筋肉の使い方の偏り
- 長時間の同一姿勢
- 回復しきらない疲労の蓄積
といった要素が重なり、
筋肉がうまく働けなくなった結果として現れることがあります。
さらに、
- 睡眠の質
- 栄養状態
- 日常生活の負担
なども影響し、筋肉の回復が追いつかない状態が続くことで、
トリガーポイントが残りやすくなるとも考えられています。
つまりMPSは、
「筋肉そのものの問題」でありながら、
その筋肉が置かれている環境によって左右される状態とも言えます。
その背景には日常のさまざまな影響が関わっている可能性がある、ということです。
臨床でよく見るケース
例えば、
何件も医療機関を受診し、検査では異常なし。
それでも痛みが続いている方。
こうした場合、
- 生活習慣の乱れ
- 人間関係のストレス
- 栄養状態
- 薬の影響
など、体以外の要素も含めて見直していくことで、
少しずつ変化が出るケースがあります。
痛みは一つの原因で起きているとは限らず、
いくつもの要素が重なっていることが多いのです。
研究からの示唆
筋膜性疼痛に関しては、トリガーポイントや筋の過敏性に関する研究が複数存在し、
筋の機能異常や感受性の変化が痛みに関与している可能性が示唆されています。
ただし、これらの研究は主観評価を含むものも多く、
明確な因果関係が完全に解明されているわけではありません。
そのため臨床では、
「筋肉だけ」「構造だけ」と限定せず、
より広い視点で解釈することが実務的とされています。
安心してください:改善の可能性はあります
長く続く痛みがあると、不安になるのは当然です。
ですが、
原因が一つに特定できないということは、
裏を返せばアプローチの方法も一つではないということです。
適切に体を理解し、少しずつ整えていくことで、
変化が見られるケースは少なくありません。
大丈夫です。
こうした状態は珍しいものではありません。
行動のヒント(できることからで大丈夫です)
無理に何かを変えようとする必要はありません。
まずは、
- 痛み=損傷とは限らないと知る
- 過度に安静にしすぎない
- 少しずつ体を動かしてみる
- 生活やストレスの状態を振り返る
こうした小さな一歩からで十分です。
痛みの治療は「痛みを知ること」から始まります。
少しずつで構いません。
体に対する見方を変えていくことが、結果として大きな変化につながることもあります。
ご相談について
ここまでお読みいただき、
「もしかすると自分もそうかもしれない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
筋膜性疼痛症候群(MPS)は、
検査ではわかりにくく、
原因も一つではないため、迷ってしまうことが少なくありません。
当院では、筋肉の状態だけでなく、
- 日常生活のクセ
- 体の使い方
- 回復のしやすい環境づくり
といった点も含めて、丁寧に状態をみていきます。
徒手施術に加え、ヒプノセラピー(催眠療法)なども取り入れながら、
その方に合った形で痛みの改善をサポートしています。
「どこに行っても変わらなかった」
「どう考えたらいいかわからない」
そんな場合も、一度整理してみることで方向性が見えてくることがあります。
無理に通院を勧めることはありませんので、
話を整理する場としてもご利用いただけます。
痛みの改善は「痛みを知ること」から始まります。





