
ニュースダイエットとは
最近、「ニュースダイエット」という言葉をご存じでしょうか。
慢性疼痛や不安症状を抱える方に対し、
ニュースや刺激の強い情報を意図的に減らすというアプローチです。
これは精神論ではありません。
神経生理学的に合理的な戦略です。
なぜニュースが痛みに影響するのか
私たちの脳は常に問い続けています。
これは脅威か?
これは対処可能か?
慢性痛では、この“脅威検知システム”がやや敏感になっています。
そこに、
・病気の話題
・災害や事件
・経済不安
・健康リスク情報
が入ると、脳は「安全ではない」と判断しやすくなります。
すると、
- 交感神経優位
- 筋緊張増加
- 痛みの増幅
が起きることがあります。
ポイントは「行動できるかどうか」
私は患者さんにこうお伝えしています。
自分で対処できる情報は良いですが、
自分では何もできない情報は控えましょう。
例えば:
✔ 明日の天気
✔ 自分の地域の防災情報
✔ 生活に直接関係する制度変更
これらは“行動できる情報”です。
一方で、
✖ 遠方の不安を煽る出来事
✖ 自分ではどうにもならない経済ニュース
✖ 健康不安を過度に刺激する話題
これらは神経系にとっては“刺激”になります。
知ることが悪いのではありません。
今の自分に必要かどうかが大切なのです。
情報は「量」より「質」
現代は情報過多の時代です。
ニュースを見ること=社会的責任
という価値観もあるかもしれません。
しかし慢性痛の回復期には、
まず神経系を安定させることが優先です。
これは現実逃避ではありません。
エネルギー配分の最適化です。
体験から見えること
痛みは、
身体だけでなく“文脈”の影響も受けます。
睡眠不足や疲労、
そして健康不安の話題。
それだけで症状が揺れることがあります。
しかし、
それは“悪化”ではなく“神経の反応”です。
揺れても、戻る。
そのための一つの方法が、
ニュースダイエットです。
まとめ
- 慢性痛では神経が敏感になりやすい
- 情報は神経系への刺激になる
- 行動できる情報だけを選ぶ
- 刺激を減らすことは逃げではない
もし最近、
「ニュースを見たあとに調子が悪い」
と感じるなら、一度試してみてください。
1週間だけでも構いません。
神経が静かになる感覚が、
きっと分かるはずです。



