木を見て森を見ず

本日は膝痛を訴えて来院する方が多かったですね。最近膝痛の方が多く来院しているような気がします。

膝痛で来院する方は何かしら病名が付けられている場合が多いですが、やはり一番多いのは変形性膝関節症という病名でしょうか。その他は鵞足炎だったり、腸脛靭帯炎だったり。

意外と「異常なし」と言われてくる方も多いです。

現代の医療は痛みの原因をレントゲンやMRIなどの画像上の変化から決めることが多いのですが、先の記事にも書きましたがレントゲンやMRIなどの画像検査では痛みは写りませんし、そもそも関節の変形などは年をとれば普通に見られます。

以前米国マサチューセッツ州でレントゲン所見で変形性関節症を認めない50歳以上の方の膝についてMRI(磁気共鳴画像診断検査)を行い、変形性関節症の有病率を観察したところ、骨棘、軟骨損傷などの有病率は実に89%だったという研究が行われています。http://www.nanbyo.or.jp/update/bunken/2012/bunken_0030.html

年をとれば皮膚に皺ができますが、皺ができたからといって大騒ぎするでしょうか?(女性はするかもしれませんが・・・)年をとれば骨だって関節だって変化するのですよね。

大分話が脱線しましたw

膝に痛みを感じているからといって、必ずしも原因が膝にあるとは限らないのです。

本日の患者さんお二人を例に出しますと、お一人は膝自体には大した所見もなく、腰に伸展制限や筋肉の圧痛が見つかりました。もう一人は膝に変形があって、屈曲と伸展の制限がありましたが、患側の中足部に強い圧痛がありました。幸いお二人共その場で症状が改善しました。(全員がすぐに良くなるわけではないですけどね)

原因のある場所と違う場所に発生する痛みを関連痛と言います。胃がおかしいと背中が痛くなる、心臓に異変があると左肩や手に痛みが発生するなどとはよく聞くとは思いますが、筋肉や皮膚、靭帯が異変を起こしても関連痛というのは発生します。これはかなり多いのではないのでしょうか。

ですから、痛いと思っていた場所を治療してもなかなか良くならない場合、関連痛も疑ってみてくださいね。それと関節や神経ばかりでなく、一応筋肉や皮膚の異常も疑ってみてくださいw

木を見て森を見ずという言葉があります。 事物の末梢的部分にこだわりすぎて,本質や全体をとらえられないことのたとえだそうです。

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