
目次
「病院で検査を受けたけれど、異常なしと言われました」
「レントゲンやMRIでは問題ないと言われたのに、痛みが続いています」
「異常がないなら、この痛みは気のせいなのでしょうか」
このような相談は、当院でも少なくありません。
まず最初にお伝えしたいのは、検査で異常が見つからないことと、痛みが存在しないことは別問題だということです。
痛みは、本人にしか分からない非常につらい感覚です。
画像検査で大きな異常が見つからなかったとしても、痛みが実在しないわけではありません。
画像検査で分かること、分からないこと
レントゲンやMRIなどの画像検査は、とても大切な検査です。
骨折、腫瘍、感染、強い炎症など、重大な病気や損傷を確認するためには欠かせません。
一方で、画像検査だけでは分かりにくいものもあります。
たとえば、
・筋肉の過緊張
・関節の動きの悪さ
・姿勢や動作のクセ
・自律神経の緊張
・痛みに対する体の過敏さ
・過去の痛みの記憶による防御反応
こういったものは、画像に写りません。
つまり、画像上は「異常なし」でも、体の機能としてはうまく働いていない部分が残っていることがあります。
痛みが続くとき、体の中で何が起きているのか
痛みが長引いている方の体をみていると、筋肉や関節が必要以上に緊張していることがあります。
本来であれば、ケガや炎症が落ち着けば、体は少しずつ元の状態に戻っていきます。
しかし、痛みが続いたり、不安が強かったり、睡眠不足が重なったりすると、体が「まだ危ない」と判断し続けてしまうことがあります。
すると、筋肉は力を抜きにくくなります。
関節の動きもぎこちなくなります。
少し動かしただけでも、痛みを感じやすくなることがあります。
これは、単に筋肉が硬いという話だけではありません。
体を守るための警戒システムが、必要以上に働いている状態とも言えます。
火事は起きていないのに、火災報知器が鳴り続けている状態
痛みを分かりやすく例えるなら、火災報知器に似ています。
火事が起きたときに火災報知器が鳴るのは、とても大切なことです。
危険を知らせてくれるからです。
痛みも同じです。
体に危険があるとき、痛みは「無理をしないでください」と知らせてくれます。
ところが、痛みが長引いている場合は少し違います。
火事そのものはすでに鎮火している。
あるいは、そもそも大きな火事ではなかった。
それなのに、火災報知器だけが鳴り続けている。
そのような状態になっていることがあります。
この場合、大切なのは「火災報知器を壊すこと」ではありません。
本当に火事が残っていないかを確認したうえで、報知器が過敏になっている理由を整理していくことです。
痛みも同じです。
重大な病気や損傷がないかを確認したうえで、筋肉、関節、自律神経、睡眠、ストレス、生活習慣などを一つずつ整理していくことが大切です。
「異常なし」だから「気のせい」ではありません
ここでよくある誤解があります。
それは、
検査で異常がない=気のせい
と考えてしまうことです。
これは違います。
痛みは実在します。
本人が感じている痛みは、本当にあります。
ただし、その原因が画像に写るものだけとは限らないということです。
筋肉や関節の機能の問題(筋膜性疼痛症候群や関節の機能障害)
体の緊張
睡眠不足
不安
ストレス
過去の痛みの記憶
生活の中で繰り返される負担
こういったものが重なることで、痛みが続くことがあります。
心理的な要素が関係することはあります。
しかし、それは「気のせい」という意味ではありません。
心と体はつながっています。
緊張すれば肩に力が入ります。
不安が強ければ呼吸が浅くなります。
眠れなければ痛みに敏感になります。
これは誰にでも起こりうる、自然な体の反応です。
自分でできる対策
検査で大きな異常がないと言われた痛みに対して、まず見直したいことがあります。
1. 睡眠を整える
痛みがあると眠れなくなります。
眠れないと、さらに痛みに敏感になります。
この悪循環は、慢性痛ではとても重要です。
まずは、痛みを完全に消そうとする前に、睡眠の質を少しでも整えることが大切です。
寝る前にスマホを見すぎない。
夜遅くに考えごとをしすぎない。
部屋を暗くする。
体を冷やしすぎない。
当たり前に見えることですが、痛みが続く方ほど、こうした基本が崩れていることがあります。
2. 入浴で体をゆるめる
痛みが長引いている方は、体が緊張し続けていることがあります。
そのような場合、入浴で体を温めると、筋肉の緊張がゆるみやすくなります。
熱すぎるお湯に長時間入る必要はありません。
心地よい温度で、体が少し楽になる程度で十分です。
「お風呂に入ると少し楽になる」という方は、筋肉や自律神経の緊張が痛みに関係している可能性があります。
3. 日本の痛み医療の現状を知る
日本では、痛みを専門的にみる医療体制が十分に知られているとは言えません。
痛みが長引くと、整形外科、内科、脳神経外科、心療内科など、いくつもの医療機関を回る方もいます。
もちろん、必要な検査を受けることは大切です。
しかし、重大な病気が否定されたあとも痛みが続く場合、痛みそのものをどう整理していくかが重要になります。
「異常なしと言われたのに痛い。だからもう原因が分からない」
ではなく、
「画像に写る異常はなかった。では、筋肉や関節の機能、自律神経、生活背景を整理してみよう」
と考えることが大切です。
痛みの仕組みを知るだけでも、不安が少し軽くなることがあります。
受診・相談の目安
痛みが出たからといって、すぐに重大な病気を疑う必要はありません。
たとえば、痛みが出てから2週間ほど様子を見て、少しずつ改善している場合は、過度に心配しなくてよいことも多いです。
ただし、次のような場合は早めに医療機関へ相談してください。
・痛みがまったく変わらない
・日ごとに悪化している
・しびれや麻痺が強くなっている
・力が入りにくい
・発熱を伴う
・強い外傷のあとから痛い
・排尿や排便の異常がある
・夜間も強い痛みで眠れない
・原因不明の体重減少がある
このような場合は、自己判断せず、医療機関で確認することが大切です。
また、痛みが長引いている場合も、早めの対応が重要です。
慢性痛は、時間との戦いでもあります。
痛みが長く続くほど、体は痛みを覚え込みやすくなります。
動くことが怖くなり、筋肉が落ち、生活範囲が狭くなり、さらに痛みに敏感になることがあります。
だからこそ、痛みが長引いている場合は、我慢し続けるよりも、早い段階で整理していくことが大切です。
痛みそのものが、すぐ命を奪うわけではありません
最後に、少し安心材料をお伝えします。
検査で重大な異常が否定されている痛みの場合、痛みそのものが命を奪うことはありません。
この視点はとても大切です。
「この痛みで死ぬのではないか」
「何か大変な病気が隠れているのではないか」
という不安が強くなると、体はさらに緊張します。
その緊張が、痛みを強めてしまうことがあります。
ただし、痛みを軽く見てよいという意味ではありません。
痛みが長く続くと、睡眠、気分、仕事、人間関係、生活の質に大きな影響を与えます。
場合によっては、生きる気力そのものを削ってしまうこともあります。
だからこそ、痛みは早めに整理したほうがよいのです。
「異常なし」と言われても、痛みがあるなら、そこには何か理由があります。
画像に写らない筋肉や関節の機能
自律神経の緊張
睡眠やストレス
痛みに対する体の過敏さ
そういった見落とされやすい原因を、一つずつ整理していくことで、痛みが変わっていくことがあります。
病院で異常なしと言われた。
でも、まだ痛い。
そのようなときは、決して「気のせい」と片づけないでください。
痛みを怖がりすぎず、しかし放置しすぎず。
体の状態を一緒に整理していくことが大切です。
おおしま接骨院では、画像検査では分かりにくい筋肉・関節の機能、自律神経の緊張、生活背景まで含めて、長引く痛みを一緒に整理していきます。






