腰痛には必ず始まりがあるということは、この連載で何回も述べている。そして、その始めの時点で、つまり急性期の時点で適切に処置をすれば、腰痛は風邪のように治るということを第3回で書いた。
では、なぜこれほど多くの人が慢性的な腰痛に悩まされているのか。前回、医学的な要因だけではなくさまざまな原因が慢性化の原因となっているとお伝えした。それについて具体的に今回は触れてみたい。今回は「医療者の言葉」がキーワードだ。
最も影響力が大きいのは「治療者の言葉」
ニュージーランドの腰痛の研究グループが発表した興味深い論文がある。原文のタイトルは「The Enduring Impact of What Clinicians Say to People with Low Back Pain」。日本語に訳すと「治療者の言葉が永続的に腰痛患者に与える」とでもなるだろうか。タイトルの通り、治療者の言葉が腰痛患者に大きく継続的に影 響を与えることを示した論文だ。
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患者さんから聞いていると今だに時代遅れの考え方を言っている医療従事者が多いですね。
言われた方は余程自分で勉強して日本の痛み医療の現状を知らないかぎり、一生その言葉を引きずる事になると思います。
- 骨が変形しているから痛い
- 骨がずれている(歪んでいる)
- 神経を圧迫しているから痛い(しびれる)
- 年だからしょうがない
- 一生の付き合いだ
これらの言葉が痛みを改善するのにどれほど足を引っ張るか想像できないのでしょうか。
日本の痛み医療は大きな転換期を迎えています。
今までの考え方が間違っていたのです。
ただ、新しい考え方が広がっていくにはまだまだ時間が必要です。
ですから、現状痛みの難民にならないためには痛みについて現状分かっている事を「知る」ということが最善かと思われます。
医療機関に行って治療してくださいと体を任せる、これは急性痛や単に急性痛が長引いたものの場合はそれでも良かったのでしょう。
しかし、これからは医療機関を「痛みを改善するための塾」の様に考えて通ったほうが良いのかもしれませんね。