座るとお尻の真ん中が痛い→尾骨だけが原因とは限りません
この記事の要点
  • 座ったときにお尻の中央や割れ目の上が痛む症状は、尾骨痛の可能性があります
  • 転倒だけでなく、長時間の座位や硬い椅子による負担でも起こります
  • 尾骨そのものだけでなく、周囲の筋肉や仙腸関節などが似た痛みを起こすこともあります

「お尻が痛い」とは言いにくいものです

「椅子に座ると、お尻の真ん中あたりが痛い」

「座った状態から立ち上がる瞬間に痛む」

「仰向けになると、骨が当たって痛い」

このような症状はありませんか。

痛む場所がお尻の割れ目に近いため、受付や施術者に具体的な場所を伝えるのが恥ずかしく、「腰の下のほうが痛い」「お尻の奥が痛い」と表現する方も少なくありません。

背骨の一番下にある小さな骨を「尾骨」といいます。この周辺に生じる痛みは、一般に尾骨痛や尾骨部痛と呼ばれます。

尾骨痛では、尾骨周辺の圧痛に加え、座る、立ち上がる、後ろへ体重をかけるといった動作で痛みが強くなることがあります。

尾骨痛が起こる主なきっかけ

代表的なきっかけは、尻もちなどによる直接的な外傷です。

転倒した直後だけでなく、「数週間前に階段で滑った」「以前、硬い床に尻もちをついた」といった出来事が関係している場合もあります。

また、明らかな外傷がなくても、

  • 硬い椅子に長時間座っていた
  • デスクワークや運転時間が長い
  • 自転車に長く乗った
  • 後ろへもたれかかる座り方が続いた
  • 体重変化などにより座面から受ける圧力が変わった

といった反復的な負担によって、尾骨周辺が痛くなることがあります。尾骨周辺の関節の動きが大きすぎる場合や、反対に動きにくくなっている場合も、痛みの一因として検討されます。

痛い場所が尾骨でも、原因が尾骨とは限りません

尾骨付近が痛いからといって、必ずしも尾骨そのものに問題があるとは限りません。

尾骨の周囲には、臀部や骨盤底を構成する筋肉、靱帯、仙骨や骨盤の関節などが集まっています。

そのため、次のような状態でも尾骨周辺に似た痛みを感じることがあります。

殿部や骨盤周辺の筋膜性疼痛症候群(MPS)

殿部や骨盤周辺の筋肉に、筋膜性疼痛症候群(MPS)による過敏な部位が生じると、実際に負担が集中している場所とは少し離れた、尾骨付近に関連痛が現れる場合があります。

「画像では骨に異常がないと言われたのに痛い」という場合には、骨だけでなく周囲の筋肉や軟部組織も確認する必要があります。

仙腸関節や腰仙部の関節機能障害

仙骨と骨盤をつなぐ仙腸関節や、腰と仙骨の境目に機能障害があると、痛みがお尻の中央付近に現れることがあります。

座る、立ち上がる、寝返りを打つといった動作で痛みが変化する場合は、尾骨だけに絞らず、骨盤全体の動きや左右差を確認することが重要です。

骨盤底周辺の過緊張

尾骨には骨盤底周辺の筋肉や靱帯が関係しています。痛みに対する警戒や長時間の座位が続くと、骨盤周辺に無意識の力が入り、痛みを長引かせることがあります。

深い呼吸とともに骨盤底周辺の力を緩める方法が、セルフケアの一つとして紹介されることもあります。

病院での確認を優先したい症状

尾骨周辺の痛みの多くは重篤なものではありませんが、まれに骨折、脱臼、感染症、皮膚や皮下組織の炎症などが隠れていることがあります。

次のような場合は、接骨院だけで判断せず、先に整形外科などの病院へ相談してください。

  • 強く尻もちをついた後から激しく痛む
  • 痛みが徐々に悪化している
  • 発熱、腫れ、赤み、傷、膿などがある
  • 夜間も強く痛み、姿勢を変えても軽くならない
  • 足の強いしびれや筋力低下がある
  • 排尿や排便の異常を伴う
  • 原因不明の体重減少がある
  • がんや感染症の既往がある

外傷や警戒すべき症状がある場合には、レントゲンだけでなく、必要に応じてCTやMRIなどが検討されます。

日常生活で見直したいポイント

まずは、尾骨への圧迫を減らすことが大切です。

座る時間を小分けにし、30~60分程度を目安に一度立ち上がりましょう。
座るときは後ろへもたれすぎず、左右の坐骨で体重を支えるようにします。

クッションを使う場合は、尾骨部分が後方へ抜けている形のものが適しています。
円形のドーナツ型クッションは、形によっては尾骨周辺へ圧力が集中する可能性があるため、使用して痛みが増す場合は中止してください。

また、痛みがあるからと一日中横になっているよりも、症状が強くならない範囲で立つ、歩く、姿勢を変えるなど、できる動きを続けることも大切です。

おおしま接骨院で確認すること

当院では、どの姿勢や動作で痛むのか、尻もちなどのきっかけがあったかを確認したうえで、

  • 腰や骨盤の動き
  • 仙腸関節や腰仙部の機能
  • 殿部や股関節周辺の筋肉
  • 座り方や立ち上がり方
  • 痛みに対する緊張や警戒

などを総合的に調べます。

痛む場所を正確な言葉で説明できなくても、「座るとお尻の真ん中が痛い」「場所を伝えにくいのですが」とお話しいただければ大丈夫です。

無理に患部を見せていただいたり、必要性のない場所へ触れたりすることはありません。

尾骨だけに絞らず、周囲も含めて確認しましょう

尾骨周辺の痛みは、尻もちや長時間の座位による尾骨への負担だけでなく、殿部の筋膜性疼痛症候群(MPS)、仙腸関節や腰仙部の関節機能障害、骨盤周辺の過緊張などが関係している場合が多いです。

画像上の異常が見つからない場合でも、痛みが気のせいということではありません。

座るたびに痛みを感じる状態が続いている方は、痛む一点だけでなく、腰・骨盤・股関節を含めて状態を確認してみましょう。

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