
- 腰椎すべり症は、お尻や脚の痛み・しびれ、歩きにくさなどに関係することがあります。
- 一方で、画像上のすべりがあっても痛みのない人もいます。
- 病名を否定するのではなく、現在の痛みに筋肉・筋膜や関節の機能異常が重なっていないか確認することが大切です。
腰椎すべり症と言われて、不安になっていませんか
「腰の骨がずれています」と言われると、「もう元には戻らないのでは」「この先、歩けなくなるのでは」と不安になりますよね。
しかし、画像にすべりが写っていることと、現在感じている痛みのすべてが、そのすべりから生じていることは同じではありません。
まずは病名と症状を落ち着いて分けて考えてみましょう。
腰椎すべり症とは
腰椎すべり症は、腰の骨が隣の骨に対して前後にずれた状態です。中高年に多い「変性すべり症」と、成長期に起こった腰椎分離症を背景とする「分離すべり症」などがあります。
変性すべり症では、ずれや加齢による変化に伴って脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることがあります。代表的なのは、立ったり歩いたりするとお尻や太ももが痛む、脚がしびれる、少し休むと再び歩けるといった症状と言われています。
すべりがあっても、必ず痛むわけではありません
2021年に発表された研究では、腰や仙骨周辺に症状のない男性プロサッカー選手40人をMRIで調べたところ、5人、つまり12.5%にグレードⅠの腰椎すべり症が確認されました。選手たちは、その状態でも通常の競技やトレーニングを続けていました(Bezuglovら、2021)。
また、地域住民188人を対象とした研究では、分離症・分離すべり症・変性すべり症と腰痛の発生との間に、統計的に明らかな関連は認められませんでした(Kalichmanら、2009)。
筋肉・筋膜や仙腸関節も確認していますか
腰痛が続くときは、すべり症による症状のほかに、腰やお尻の筋膜性疼痛症候群(MPS)が重なっていることがあります。
MPSでは、緊張して過敏になった筋肉・筋膜から、離れた場所へ痛みを感じる「関連痛」が起こることがあります。
また、腰椎や骨盤の仙腸関節に機能異常があると、立ち上がり、寝返り、前かがみ、腰を反らす動作などで痛みが変化する場合があります。
股関節の動きや立ち方、歩き方も腰への負担に関係します。
大切なのは、病名を別のものに置き換えることではありません。どの動作で痛むのか、押すといつもの痛みが再現されるのか、腰椎・仙腸関節・股関節の動きで症状が変わるのかを確認し、痛みの内訳を整理することです。
早めに整形外科へ相談したい症状
脚のしびれや筋力低下が進んでいる、尿が出にくい・尿漏れがある、会陰部の感覚がおかしい、安静にしていても痛みが強い、発熱を伴う、症状が急速に悪化している場合は、早めに整形外科へ相談してください。
腰椎すべり症と言われた腰痛でお悩みの方へ
当院では、画像や病名だけで痛みを決めつけず、痛む動作、腰椎や仙腸関節、股関節の動き、周囲の筋肉・筋膜、立ち方や歩き方などを確認します。
医療機関での確認が必要な場合はそちらを優先し、痛みを軽くして無理なく動ける状態を目指します。
蓮田市周辺で「この腰痛は、すべりだけが原因なのだろうか」とお悩みでしたら、一度ご相談ください。
【参考文献】
Bezuglov E, et al. Spine. 2021;46:122-128.
Kalichman L, et al. Spine. 2009;34:199-205.






