
米国整形外科学会、ヒアルロン酸推奨せず
報道によると、米国整形外科学会(AAOS)は変形性膝関節症の診療ガイドラインを改訂し、ヒアルロン酸のルーチン使用を推奨しないと明記しました。
変形性膝関節症は「軟骨がすり減る病気」と説明されることが多く、特に高齢者に多い疾患です。米国では数千万人規模が罹患し、身体機能低下の主因の一つとされています。
今回の改訂は、
「臨床的に意味のある改善効果を裏付ける十分なエビデンスがない」
という評価に基づくものです。
さて、ここで少しだけ。
これは“お隣の国”での話です。
急に
「ヒアルロン酸はもう全部ダメなんですね?」
と極端に受け取る必要はありません。
国が違えば、医療制度も、評価基準も、エビデンスの解釈も違います。
ですが…
「海外のガイドラインだから関係ない」と安心するのも、
少し違う気がします。
医療は変わり続ける
かつて当然とされていた治療が、
数年後には推奨度を下げる。
これは珍しいことではありません。
痛みの理解も、
- 構造中心の損傷モデル
↓ - 生物心理社会的モデル
↓ - 中枢神経の可塑性や予測処理モデル
へと進化してきました。
変形性膝関節症も同じです。
「軟骨が減ったから痛い」だけでは、説明しきれない。
本質はどこにあるのか
ヒアルロン酸が“善か悪か”という単純な話ではなく、
- どの患者に
- どのタイミングで
- どの目的で使うのか
そこが問われています。
ガイドラインは「平均的推奨」です。
臨床は「目の前の個別性」です。
10年後、20年後
いま当然と思っている治療は、
どう評価されているでしょうか。
構造よりも機能。
注射よりも教育。
受け身よりも自己管理。
そんな方向へ進んでいる気配はあります。
大切なのは、
「今の常識に固執しないこと」。
そして、
どこの国の話であっても、
そこから学べる視点があるかどうかを考えること。
医療は止まりません。
私たちも、止まらずにいきましょう。



