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腰痛に悩んでいる方へ
腰痛に悩まされている方はとても多いですね。
実際に、国民生活基礎調査によると腰痛は日本人の自覚症状の第一位とされ、長年にわたり増加傾向にあります。
「治療は進歩しているはずなのに、なぜ減らないのか」
そう感じたことがある方も少なくないかもしれません。
ここには、少し見方を変えるヒントがあります。
一般的に信じられてきた「原因」
これまで腰痛は、
- 骨の変形
- 姿勢の悪さ
- 椎間板ヘルニア
- 神経の圧迫
といった「体の構造の異常」で説明されることが多くありました。
いわゆる「損傷モデル」と呼ばれる考え方です。
ですが、少し意外かもしれませんが、この説明だけではうまく説明できない現象が数多く見つかっています。
本質は「脳と安全性の判断」にある
例えば、1953年に行われた研究では、
腰痛のある人とない人のレントゲンを比較したところ、どちらにも同程度の変形が見られたと報告されています。
さらに現在では、
- 腰痛の約85%は画像で原因が特定できない(非特異的腰痛)
- 痛みがない人でも椎間板ヘルニアが多くの方に見つかる
といった傾向が知られています。
ここで一度、立ち止まってみてください。
「痛み=損傷」とは限らない、という可能性です。
近年では、「生物心理社会的疼痛モデル」という考え方が広まっています。
これは、痛みを
- 身体(生物学的要因)
- 心理(不安・恐怖・思い込み)
- 社会(人間関係・仕事・環境)
といった複数の視点から捉えるものです。
つまり、脳が「危険だ」と判断したときに痛みが出る、という見方です。
臨床でよくあるケース
例えば、
- 仕事のストレスが強い時だけ腰が痛む
- 休みの日になると楽になる
- 「悪化するのでは」と不安なほど痛みが強くなる
こうしたケースはとても多く見られます。
体そのものの問題だけでなく、
「どう感じているか」「どんな状況にいるか」が影響している可能性があります。
研究から見えてきたこと
臨床的にも、「痛みに対する考え方」が重要であると感じる場面は少なくありません。
実際に、心理社会的要因(恐怖、不安、ストレスなど)が強いほど、痛みが長引きやすいという傾向が複数の研究で示唆されています。
(例:生物心理社会モデルに基づく慢性腰痛研究のレビューなど)
ただし、これらは主観的評価を含む研究も多く、個人差がある点には注意が必要です。
それでも、「身体だけでは説明できない」という方向性は、多くの研究と一致しています。
「間違った思い込み」が痛みを長引かせることもある
ここで大切なポイントです。
痛みに対する間違った考え方、過剰な不安や恐怖があると、
痛みが長引きやすくなることが知られています。
例えば、
- 「この痛みは危険だ」
- 「動いたら悪化する」
- 「もう治らないかもしれない」
こうした認識は、脳にとって“危険信号”として働き、痛みを強めることがあります。
だからこそ、考え方が変わってきている
これまでの「損傷モデル」から、
現在は「生物心理社会モデル」へと大きくシフトしています。
今までは、
「骨・筋肉・姿勢が原因」
と考えられてきましたが、
今は、
「身体・心・環境すべてが関係している」
と捉える方向に変わってきています。
この変化は、痛みを理解する上でとても重要です。
改善の可能性は十分にあります
ここまで読んで、少し安心された方もいるかもしれません。
痛みの原因が「壊れているから」ではなく、
「脳の反応や状況によるもの」だとしたら。
見方を変えることで、改善の余地が広がります。
大丈夫です。
こうしたケースはとても多く、特別なことではありません。
今日からできる小さな一歩
無理に何かを変える必要はありません。
まずは、
- 「痛み=損傷ではないかもしれない」と知ること
- 自分の生活やストレスとの関係に少し目を向けること
それだけでも十分な一歩です。
少しずつで構いません。
理解が深まること自体が、体にとっての“安心材料”になることがあります。
ご相談をご希望の方へ
もし今、
「いろいろ試したけれど変わらない」
「原因がはっきりせず不安が続いている」
そんな状態があるのであれば、一度視点を変えて整理してみることも大切かもしれません。
当院では、体の状態だけでなく、日常生活や感じている不安、これまでの経過も含めて丁寧にお話を伺いながら、痛みを捉えていきます。
無理に何かを押し付けることはありません。
まずは「今の状態を知ること」からでも大丈夫です。
少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。





