ぎっくり腰は怖い病気ではない 早く治すための対処法
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ポイント

ぎっくり腰とは、腰や腰回りに急に痛みを起こした状態です。
・重いものを持ち上げた際に
・くしゃみをした際に
・体を大きく動かした際に
なることが多いようです。痛みが強くても症状が現れた状況と状態から判断が行われますが、危険信号(レッドフラッグ)を伴う場合は血液検査やレントゲン、CTやMRI検査が行われることがあります。一昔前はぎっくり腰になると「安静にして冷やす」でしたが、様々な研究により安静にすると慢性化しやすくなったり、再発率が高まることから、最近はよほどの激痛でも二日以上の安静は勧めないこと、早期より日常生活動作を再開することですみやかに改善することが分かってきています。
とにかく痛みを早く鎮めることが大切で、自分に合う方法を見つけて早く痛みを解消しましょう。
腰痛の予防としては、よく「重いものを持たない」とか、「腰を意識した生活をする」などと今だに言われていますが、腰に注意集中した生活を送ると腰痛の発症率が高まることが分かっています。
ぎっくり腰は腰の風邪のようなものですから、痛くなっても普段どおりの生活をなるべく続けること、痛みのしくみをざっくり知って安心することがポイントになります。

ぎっくり腰(急性腰痛)とは

ぎっくり腰は急性腰痛ともいい、腰に急に痛みが出た状態をいいます。
欧米では「魔女の一撃」とも表現されるほど強烈な痛みが腰を襲うという認識です。

ぎっくり腰(急性腰痛)は腰椎捻挫とか腰部捻挫などと言われることもあり、「腰のケガ」と捉えている方もまだまだ多いと思いますが、残念ながらぎっくり腰が腰の捻挫であるという証拠は今のところありません。

ぎっくり腰の原因は正確には不明なのですが、多くの場合2週間以内に改善することが分かっています。

ポイント

多くの場合、2週間以内に改善する。

ぎっくり腰(急性腰痛)によくある間違い

❌ぎっくり腰は加齢である
◯加齢がぎっくり腰の原因であれば高齢になるにつれて腰痛の方が増えていかなければ説明がつきませんが、高齢になるにつれて腰痛の有病率が増えているわけではありません。

❌ぎっくり腰は腰の炎症である
◯炎症であるという証拠は無い→炎症は(痛み・発赤・腫れ・発熱・機能障害)の5つがそろった状態を言いますが、ぎっくり腰の場合これに該当しません。

❌ぎっくり腰は椎間板の損傷である
◯椎間板に痛みを感じるセンサーはありません。

❌ぎっくり腰は骨の異常である。
◯痛みのない健康な方でも骨の変形や椎間板の変性は普通に見られることから、この考え方は否定されています。(骨折や腫瘍除く) 危険信号(レッドフラッグ)が無い腰痛の場合、画像検査はなるべくしないようにとされています。むしろ画像上の以上を指摘されると病気になりますので、思考が病名中心になり有害です。

❌ぎっくり腰は椎間板ヘルニアになって神経を圧迫している
◯椎間板ヘルニアが画像上神経を圧迫していても痛くない方はたくさんいて、1995年にボルボ賞を受賞した有名な研究論文では腰痛未経験の方の腰をMRIで撮影したところ、76%にヘルニアが発見されました。椎間板ヘルニアがあるかといって、必ずしも痛みになるとは限りません。

❌ぎっくり腰は負担をかけないようにすれば予防になる
◯腰を意識した生活をすると腰痛になりやすくなりますので、ヨーロッパの腰痛診療ガイドラインには「患者さんに重い物の持ち上げ方、腰に負担のかからない生活の仕方を指導しないように」と記載されています。

ポイント

思い込みに囚われているとなかなか治らないから新しい考え方をなるべく知って少しずつ動かす

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