痛みのナゼとナゾ 名倉潤の悲劇は他人事ではない…日本の慢性痛医療の知られざる事情 ヘルニア=慢性痛という大いなる誤解 ヘルニアと慢性痛は無関係 去る8月1日、お笑いトリオ・ネプチューンの名倉潤氏(50)が、頸椎椎間板ヘルニア手術後の侵襲(しんしゅう)によってうつ病を発症したため、リハビリに専念すべく約2ヵ月間休養すると、所属するワタナベエンターテインメントが発表した。名倉氏は、慢性的な痛み・しびれを...
痛みのナゼとナゾ 痛み医療のパラダイムシフト 今、日本には大きなパラダイムシフトが訪れています。 パラダイムシフトとは、その時代や分野において当然のことと考えられていた常識として認識されている「思考の枠組み」が劇的に変化することをいいます。 パラダイムが変化する。つまり、今まで常識とされていたことが大きく移り変わっているのです。 それは、レントゲンやMRIなどの画...
お知らせ 新刊「痛みの正体を知れば、腰痛は治せる」発売中です 近年、痛みに対する教育の重要性が高まっています。痛みを知る、ということですね。このブログでもとりあげましたが、オーストラリアのビクトリア州で行われた「腰痛に屈するな」のキャンペーンは目を見張る物があり、腰痛による労災申請件数15%減、腰痛にかかる医療費の20%削減に成功しています。※1、2 また、アメリカの研究では読書...
痛みの豆知識 腰痛に安静はもう古い! 腰が痛くなったら安静にして冷やす。 腰痛で悩んでいる方にはこれはまだ常識なのかもしれません。 ところが最近になって(といってもかなり経つが)腰痛に対する考え方が変わってきています。 腰痛に対する研究が進み、安静にしているよりもなるべく日常生活動作を維持したほうが回復が早いことがわかっていて、世界的に腰痛の新常識になりつ...
痛みの豆知識 頚椎ヘルニアで悩んでいる方にー症例 さいたま市よりお越しのAさん、一年前から左手のしびれと首の痛みがありました。 複数の整形外科でMRIを撮影したところ、頚椎椎間板ヘルニアと診断されたそうです。 仕事がとても忙しく、平均睡眠時間も4,5時間程、体温も少し低く35,8℃ほどだそうです。 症状に関係しそうな病歴はありません。 ただ、首の痛み、右手のしびれの他...
痛みのナゼとナゾ 痛くなったら原因を考えてみよう 普通に生活していて痛みが発生したとします。 何が問題だったのでしょう? 痛みや痺れの症状が発生すると大抵の方は医療機関を受診します。そこで構造に異常があればそれのせい、異常が見つからなければ異常なし、心因性などと言われます。 しかし、痛みの原因は構造の異常ではなく、大抵その方の生活の中にあります。 生物学的損傷を痛みの...
痛みのナゼとナゾ 長引いた痛みを早く改善するには 痛みは国際疼痛学会により「不快な感覚性、情動性の体験」と定義されています。要するに痛みは個人の体験なのです。 今までは骨の変形や神経への圧迫で痛みを説明してきました。「損傷モデル」です。しかし、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などは症状の無い健常人にも見られ(変形性関節症なども一緒)、また運動療法や徒手療法でも症状が消失す...
痛みの豆知識 増え続ける腰痛患者 腰痛は日本人の自覚症状の第一位であり、統計開始から24年間で57%増加している。(厚生労働省 国民生活基礎調査2010) 医学が発達しているはずの現代で、腰痛の有病率が年々増加傾向にあるそうです。 なぜなのか? 様々な対照試験や体系的レビューの結果、画像所見と腰痛とはあまり関連が無い事が分かっています。(悪性腫瘍や骨折...
痛みのナゼとナゾ 生物心理社会的疼痛モデル 痛みに対する考え方がようやく変わりつつあるようですね。 骨の変形や神経への圧迫を痛みの原因としていた「損傷モデル」から「生物心理社会的疼痛モデル」への移行です。 生物心理社会的疼痛モデルとは 以下国際疼痛学会より引用 生物心理社会的モデルとは、人の医学的な疾患、この場合は慢性の運動器痛(筋・骨格系の痛み)を理解するの...