名倉潤の悲劇は他人事ではない…日本の慢性痛医療の知られざる事情

ヘルニア=慢性痛という大いなる誤解

ヘルニアと慢性痛は無関係

去る8月1日、お笑いトリオ・ネプチューンの名倉潤氏(50)が、頸椎椎間板ヘルニア手術後の侵襲(しんしゅう)によってうつ病を発症したため、リハビリに専念すべく約2ヵ月間休養すると、所属するワタナベエンターテインメントが発表した。
名倉氏は、慢性的な痛み・しびれを解消するために昨年6月、頸椎椎間板ヘルニアの手術を受け、術後わずか10日で仕事復帰。手術は成功して経過は良好だったにもかかわらず、「手術の侵襲という普通の生活圏にはないストレス」がもとで、うつ病を発症してしまったのだという。

中略

海外からおいてけぼりに

とはいえ、読者の多くは「日本の優秀な整形外科医が、そんな不勉強なはずがない。まして、不必要な手術が許されるはずがない」と思うだろう。しかし残念ながら、日本の慢性痛医療が、他の国々に比べて著しく遅れていることは間違いない。なぜなら、日本の大学の医学部では、痛みの専門教育はなされていないからだ。本稿で取材した加茂医師は独学で、北原医師はアメリカに留学して学んだという。

現在、日本で、慢性痛医療を牽引している数少ない医師たちは皆、そうやって慢性痛について学んだ方ばかりで、後進の育成が思うように進まない今、「このままだとあと10年程度で集学的(単純に切って治す等ではなく、さまざまな方法を組み合わせて治療する、世界の主流的なやり方)痛み診療の知識や技術の継承は途絶えてしまう可能性が高い」と危機意識を募らせる医師もいる。

続きは下記リンク先で

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67096

日本の痛み医療は海外に比べて20年以上遅れていると言われている

関節の変形や軟骨の摩耗、椎間板による神経の圧迫、これを痛みの原因とする損傷モデルは失敗に終わりました。
この考え方では痛みを抱える方が減るどころか増え続けてしまっています。
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、過去30年で腰痛患者は約1,6倍まで増えてしまっています。
これは痛みの原因を体を構成する組織の損傷に求めすぎたためで、まったくの的外れでした。

関節の変形や軟骨の摩耗、神経の圧迫はなんの症状もない健常者にも普通に存在します。
そういった研究の成果から、日本以外では生物心理社会的疼痛モデルとして変化してきています。
これは痛みを心や体を別々に扱うのではなく、一緒に見ていこうとするものです。

ポイント

日本の痛み医療は海外にくらべて20年以上遅れいている

痛みには二種類あり、急性痛と慢性痛があります。

急性痛は危険を知らせる痛みであり、時が来れば自然と治ることが多いですが、それが3ヶ月や6ヶ月続くと慢性痛と言われる状態になります。

これは痛みを処理する痛み系が変化を起こしてしまったためと考えられています。
通常は痛みが発生すると痛みを抑える(調整する)機能が備わっていますので、調整されるのですが、長期に痛みの入力が続くと痛み系に変化を起こしてしまい、抑えが効かなくなって痛みが強くなったり、体のあちこちに痛みが拡がることがあります。

もし慢性痛になってしまった場合、もう治らないのかと言うと、決してそうではありません。
痛み系に限らず脳には変化する能力があり、痛みについての学習や運動、治療によって元に戻っていくと言われています。

長引く痛みはつらいものですが、自分にあった方法を見つけ、楽な生活を取り戻しましょう。

ポイント

痛みには「急性痛」と「慢性痛」の二種類があり、違った対処が必要

読書療法の勧め

慢性痛の治療に読書療法という方法に注目が集まっています。
アメリカの研究では読書療法により本を読み終わった後、1週間で52%の方が症状の回復をしただけでなく、その後9ヶ月後、18ヶ月後も改善し続けたそうです。※1
※1   Udermann BE.. et al, Spine J, 2004, 4(4): 425-35.

日本でも2015年、NHK放送の「腰痛治療革命」において慢性的な腰痛を抱える方に痛みの教育ビデオを2週間見てもらったところ、約40%の人たちが改善したという放送がありました。

映像を見ただけで改善するなんて嘘みたいな話ですが、痛みを慢性化させている大きな原因の一つに痛みに対する恐怖や不安があります。
恐怖や不安は痛みについて知らないということが大きいので、痛みを知ることによって安心することから、余計な緊張がとけて改善していくというわけです。

事実、書籍を読んだだけでも改善した報告は多くありますから、例えば伊藤かよこ先生の著書、「人生を変える幸せの腰痛学校」のAmazonレビュー欄を見ていただくと納得できるかと思います。

拙著「痛みの正体を知れば、腰痛は治せる」を読んだ方からも読んだ途端に楽になったと複数報告を受けています。

こういったことからも、読書療法はお勧めできるわけですが、なにも書籍を読むだけが読書療法ではなく、新しい考え方に基づく映像などを見て知識を得ても良いわけですから、読書が苦手な方はおおしま接骨院のYou Tubeページに痛みで悩んでいる方に役立つであろう動画を再生リストにリンクしてありますから、そちらをご覧ください。

おおしま接骨院You Tubeページ 再生リスト→ https://bit.ly/2m9HxFT

ポイント

痛みの学習ができれば読書じゃなくてもOK

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