坐骨神経痛と言われた右脚の痛み・しびれ|筋膜性疼痛症候群の関与も考えた症例

群馬県の太田市よりお越しのAさん(40代)。

半年前から右脚に痛みとしびれが出るようになり、徐々に症状が強くなってきたそうです。

近くの医療機関を受診し、レントゲンとMRI検査を受けたうえで「坐骨神経痛」と言われ、お薬とリハビリで経過をみていました。

しかし、しばらく治療を続けても症状にあまり変化がなく、どうしたらよいのか悩んでいたところ、ご友人のBさんから当院をご紹介いただき来院されました。

坐骨神経痛と言われた40代女性の症例を4コマで紹介。半年続く右脚の痛み・しびれ、睡眠不足、筋肉の緊張やMPSの関与を確認し、3回目には初回の2/10程度まで楽になった経過を示した漫画

睡眠時間が短く、途中で目が覚めることも

初回に詳しくお話を伺うと、Aさんの睡眠時間は1日5時間ほどでした。

さらに、夜中に途中で目が覚めてしまうことも、ちょくちょくあるとのこと。

慢性的な痛みを抱えている方では、睡眠の問題をあわせて抱えているケースも少なくありません。

痛みがあることで眠りが浅くなることもありますし、反対に睡眠不足が続くことで、痛みに対して敏感になってしまうこともあります。

つまり、慢性痛では「痛み」と「睡眠」が互いに影響し合っている場合があります。

そのため当院では、痛む場所だけを見るのではなく、睡眠や生活状況についても確認しています。

身体には強い緊張がみられました

Aさんの身体を確認すると、全体的に筋肉の緊張がかなり強くなっていました。

また、筋肉を押して確認すると、痛みを感じる場所も複数みられました。

一方、今回の確認では、明らかな筋力低下や感覚低下など、神経の障害を強く疑う所見は確認されませんでした。

そこで、「坐骨神経痛」という診断名だけで症状を考えるのではなく、筋肉や筋膜に由来する痛みである筋膜性疼痛症候群(MPS)の関与も考えながら施術を行うことにしました。

「坐骨神経痛」は原因そのものを表す言葉とは限りません

「坐骨神経痛」という言葉はよく知られていますが、実際にはひとつの病気の名前というより、坐骨神経の走行に沿って、お尻から脚にかけて痛みやしびれが出ている状態を表す言葉として使われることがあります。

そのため、

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 神経への刺激
  • 筋肉や筋膜による関連痛
  • 関節機能の問題
  • その他の要因

など、似たような症状でも背景が異なる場合があります。

画像検査で異常が見つかる場合もありますが、画像上の所見だけでは、現在感じている痛みのすべてを説明できないケースもあります。

そのため、画像検査の結果とあわせて、実際の身体の状態や症状の経過を確認することが大切です。

3回目の来院時には「最初の2/10くらい」

施術を行いながら経過を確認し、3回目の来院時にAさんへ症状の変化を伺いました。

すると、

「最初の痛みを10とすると、今は2くらいまで楽になりました」

とのことでした。

半年間続いていた症状でしたので、比較的早い段階で変化がみられたことは良かったと思います。

ただし、痛みの変化だけで判断せず、今後も身体の状態や日常生活への影響などを確認しながら経過をみていきます。

痛みに対する「怖さ」についても時間をかけて説明しました

Aさんの場合、身体の状態だけでなく、痛みに対する恐怖心がかなり強くなっていることも印象的でした。

半年間症状が続き、病院で治療を受けても大きな変化がなければ、

「このまま治らないのではないか」

「もっと悪くなるのではないか」

「動いたら身体を傷めるのではないか」

と不安になるのは珍しいことではありません。

しかし慢性的な痛みでは、痛みに対する不安や恐怖が強くなることで、身体を動かすことを避けるようになったり、筋肉の緊張がさらに高まったりすることがあります。

そこでAさんには、

痛みがあることと、身体が傷つき続けていることは必ずしも同じではないこと

や、

慢性的な痛みには、筋肉・関節・睡眠・ストレス・痛みに対する考え方など、複数の要素が関係することがある

という点について、時間をかけて説明しました。

当院では、こうした説明も施術の一部だと考えています。

慢性的な脚の痛み・しびれは、いろいろな視点から考えることが大切です

「坐骨神経痛と言われたから、神経だけが悪い」

とは限りません。

もちろん、神経への圧迫や障害が原因となっているケースもありますので、必要に応じて医療機関で画像検査や診察を受けることは重要です。

その一方で、筋膜性疼痛症候群や関節機能、身体の緊張、睡眠状態、痛みに対する不安などが症状に関係している場合もあります。

症状が長く続いている場合ほど、ひとつの原因だけに決めつけず、複数の可能性を整理していくことが大切だと考えています。

Aさん、症状がかなり楽になってきて良かったですね。

今後も状態を確認しながら、痛みだけでなく、日常生活を安心して送れる状態を目指してサポートしていきます。

※今回ご紹介した内容は一症例の経過です。症状の原因や施術による変化には個人差があり、すべての方が同じような経過をたどるものではありません。

※強い筋力低下、排尿・排便の異常、会陰部の感覚異常、急激に悪化するしびれや痛みなどがある場合は、施術院ではなく医療機関での評価が優先されます。

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