変形性膝関節症と膝の痛み|軟骨のすり減りだけが原因ではありません
この記事の要点

・変形性膝関節症では膝関節全体に変化が起こりますが、現在感じている痛みのすべてを、軟骨のすり減りだけで説明できるとは限りません。

・膝の痛みには、関節機能異常、太ももやふくらはぎの筋肉・筋膜の過敏さ、股関節や足首の動きにくさが重なっていることがあります。

・強い腫れや熱感がない場合は、痛みの反応を見ながら、関節の動きや筋力を保つために無理のない範囲で身体を動かすことが大切です。

変形性膝関節症と膝の痛み

「膝の軟骨がすり減っています」「変形性膝関節症ですね」と言われると、もう元には戻らない、このまま歩けなくなるのではないかと不安になりますよね。

ただ、ここで知っておいていただきたいことがあります。変形性膝関節症という病名を否定するわけではありませんが、今感じている痛みのすべてが、軟骨のすり減りだけで起きているとは限りません。

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、軟骨だけでなく、骨、滑膜、関節包などを含む膝関節全体に変化が起こる状態です。
歩き始めや立ち上がり、階段の上り下り、長時間の歩行などで痛みを感じやすくなり、膝の腫れや曲げ伸ばしの制限がみられることもあります。

日本整形外科学会では、関節軟骨には血行や神経線維の分布がない一方、滑膜の炎症や関節包の線維化、神経線維の増生などが痛みに関係すると説明しています。

(参考:日本整形外科学会「変形性関節症」)
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/osteoarthritis.html

変形の程度と痛みの強さは同じではありません

レントゲンで変形が見つかると、それが痛みの原因だと思ってしまいますよね。
もちろん、関節の変化が痛みに関係することはあります。
ただし、画像に写る変化だけで、痛みの強さや動きにくさのすべてを説明できるわけではありません。

英国のNICEガイドラインでも、変形性関節症への対応は、画像所見だけではなく、本人が感じている症状と身体機能をもとに進めることが勧められています。

(参考:NICE「Osteoarthritis in over 16s: diagnosis and management」)
https://www.nice.org.uk/guidance/ng226/chapter/Recommendations

筋肉や筋膜、関節の動きが重なることもあります

膝の周りには、太ももやふくらはぎの筋肉、筋膜、靱帯、関節包など、多くの組織があります。
こうした組織の緊張や過敏さ、関節の細かな動きの硬さが、膝の痛みに重なっていることがあります。

また、股関節や足首の動きが小さくなると、その間にある膝へ負担が集まりやすくなります。
筋膜性疼痛症候群(MPS)による関連痛が、膝の痛みとして感じられることもあります。

つまり、「変形か、筋肉か」と一つに決めるのではなく、それぞれが現在の痛みにどのくらい関係しているかを整理することが大切なんですね。

痛いときは動かさない方がよいのでしょうか

強く腫れて熱を持っている時期や、急に痛みが増したときは、無理をせず負担を調整する必要があります。とはいえ、長期間まったく動かさない状態が続くと、筋力や関節の動きが低下し、かえって日常動作がつらくなることがあります。

厚生労働省が公開している運動プログラムでも、膝を支える筋肉を鍛え、膝の動きを保つ運動が紹介されています。
NICEでも、その人に合わせた筋力運動や有酸素運動が中心的な対応として推奨されています。
始めは多少の違和感が出る場合もあるため、反応を見ながら少しずつ続けることがポイントです。

(参考:厚生労働省「変形性ひざ関節症の人を対象にした運動プログラム」)
https://www.mhlw.go.jp/content/000656473.pdf

このようなときは医療機関へ

急に強く腫れた、膝が熱を持っている、発熱を伴う、転倒後から痛い、体重をかけられない、膝がロックして動かない、急速に症状や変形が進んでいるといった場合は、医療機関での確認を優先してください。

膝の痛みを一緒に整理しましょう

おおしま接骨院では、画像や病名だけで痛みを決めつけず、膝関節の動き、太ももやふくらはぎの筋肉・筋膜、股関節や足首、立ち上がりや歩き方などを確認します。

変形を否定するのではなく、今の痛みに何が重なっているのかを整理し、痛みを軽くしながら無理なく動ける状態と自己管理を目指します。

埼玉県蓮田市で変形性膝関節症や膝の痛みにお悩みでしたらご相談ください。

関連記事

おすすめの記事