会社の経営者にとっては耳が痛い話かもしれません。
痛みを抱えて仕事をしていると能率が落ちて会社の売上が下がるというのです。
これが今問題になっていて、日本でも痛みで年間3,700億円程損失しているというのです。
3,700億円て大きい金額ですね~想像もできませんが(汗)
日本人が病気で失う金額は年間3兆3,600億円にものぼり、日本の税収が40~50兆円程ですから損失額は大きいと言えますね。
考えてみれば痛みがあると仕事の能力が下がって売上に影響するのは当然といえば当然ですね。
ですから会社側から従業員さんの健康管理をもっと積極的に行う必要があるのかも知れません。
うちで患者さんからよく聞くのは
座面が壊れて曲がったままの椅子を使わされている
足に合わない安全靴を長時間履いている
体を捻りながらデスクワークしている
などです。
合わない椅子に座っていればそりゃあ痛くなりますよね。
椅子はそんなに高くないと思いますから新しい物に替えることを検討して欲しいものです。
安全靴にしても体に長時間身につけるものは影響しやすいですから会社側で一つの種類に決めるのではなく、ある程度従業員さんが足に合ったものを選択して使えるようにすればいいと思いますよね!
ちょっとしたことで従業員さんの痛みが防げ、売上が上がるならそっちの方がよいとは思いますが、いかがでしょうか。
今回は靴や椅子に関して書きましたが、腰痛になる原因は多岐にわたり、職業的満足度や労働条件、雇用形態など、人間関係でも発生したり長引いたりしますが、そのお話はまたの機会に。
■腰痛で長期欠勤している患者975名を3年間追跡したRCTによると、200日後の復職率は教育プログラム(従来の常識はすべて忘れて怖がるなという指導)群が70%だったのに対して、標準的治療群はわずか40%でしかなかった。http://1.usa.gov/mUEwJH
■腰痛の予防法に関する20件のランダム化比較試験を分析した結果、腰痛ベルト・靴の中敷き・人間工学的介入・重量物挙上軽減教育に効果はなく、運動療法のみが腰痛とそれによる欠勤を予防できるという強力かつ一貫性のある証拠を発見。http://1.usa.gov/vi52lt
■荷役作業従事者の腰痛予防をテーマにしたランダム化比較試験とコホート研究を分析した体系的レビューによると、重量物の持ち上げ方に関するアドバイスやサポートベルトに腰痛予防効果はなく腰痛による活動障害も欠勤も減少せずと結論。http://1.usa.gov/sDGpce
■3つのビスケット工場を対象に心理社会的教育パンフレット(腰痛に対する恐怖心を打ち砕く内容)の有効性を1年間にわたって追跡調査した結果、教育パンフレットを使用した工場は腰痛発症率と欠勤日数が大幅に減少したことを確認。http://1.usa.gov/VPdkFb
TMS JAPAN長谷川先生より提供