病名がついたときから病気が始まる。
病名中心の思考になってしまい、◯◯病を治すためにはどうすれば?◯◯病を改善するためのストレッチは?サプリメントは?などなど
あまり病名にこだわりすぎるのも考えものかもしれない。
腰痛の代名詞的な扱われ方をしている腰椎椎間板ヘルニアだが、実はこの椎間板ヘルニアは健常者でもかなりの確率で発見されていることはご存知だろうか。
その他腰痛の原因と言われている脊椎分離症、脊椎すべり症、変形性腰椎症など、これも腰痛のまったくない健常者でも普通に見られる形態的な変化である。
私は◯◯病と思い込む前に、少し考えてみて欲しい。
腰痛のまったくない方でも画像上の変形や軟骨の摩耗は普通に見られること。
病名がついていても痛みから開放される方がたくさんいること。
であればレッドフラッグ(危険信号)のない腰痛の場合他にやることがあるかもしれない。
■現在のX線所見の報告書(椎間板変性・分離症・分離すべり症・二分脊椎・腰仙移行椎・ショイエルマン病)は患者を不安にさせ、不必要な活動制限や思い込み、不必要な治療へと追い込む恐れがあるため、挿入文を追記することを推奨する。http://1.usa.gov/X086so
【軽微な椎間板変性】この所見を有するものの半数は腰痛がないので今の症状とは無関係かもしれない。【進行した椎間板変性】この所見を有するものの40%は腰痛がないので今の症状とは無関係かもしれない。【脊椎分離症】この所見を有するものの半数は腰痛がないので今の症状とは無関係かもしれない。【脊椎分離・すべり症】この所見を有するものの半数は腰痛がないので今の症状とは無関係かもしれない。【二分脊椎】この所見を有するものの半数は腰痛がないので今の症状とは無関係かもしれない。【腰仙移行椎】この所見を有するものの半数は腰痛がないので今の症状とは無関係かもしれない。【ショイエルマン病】この所見を有するものの40%以上は腰痛がないので今の症状とは無関係かもしれない。
■1985年~1995年に発表された腰痛疾患と画像検査に関する論文672件をレビューした結果、画像所見と腰痛との間に関連があるという証拠は見出せなかった。レッドフラッグのない腰痛患者の画像検査は無意味である可能性大。http://1.usa.gov/mwyvVG
痛みの原因が筋肉によるものならトリガーポイント療法やマッサージ、各種矯正など
痛みの原因が栄養面からなら食養生
痛みの原因が心理的なものによるならば心理療法
など
同じ「痛み」でも各人によって原因は様々です。
今まで我が国では痛みを何かの「損傷」と捉えてきましたが、それでは痛い方を増やすだけでした。
どこに行っても改善しない痛みをお持ちの方は視点を変えてもらう必要があります。
痛みは損傷モデルから生物心理社会的疼痛モデルへ。
適切な対処をして痛みとはサヨナラしましょう。