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雑誌Tarzanの8月8日号NO,769の特集は不調の原因は自律神経の乱れにあり。
ぐっすり眠る!シャキッと目覚める!すっきり一日過ごす!自律神経セルフケアと題して自律訓練法、筋弛緩法(ジェイコブソンの漸進的筋弛緩法)、自律神経調節レシピ、メンタル切り替え術、アンガーマネジメントなどが掲載されていますね。
痛みと自律神経は切っても切れない関係ですから、早く痛みから開放されるためにも、覚えておいたほうが良い方法です。
今日は拙著「痛みの正体を知れば、腰痛は治せる」にも掲載した筋弛緩法(ジェイコブソンの漸進的筋弛緩法)のやり方を掲載します。
筋弛緩法(ジェイコブソンの漸進的筋弛緩法)とは
ジェイコブソンの漸進(ぜんしん)的弛緩法は、生理学者エドモンド・ジェイコブソン博士が1920年代はじめに考案した方法で、筋肉の緊張と弛緩とを繰り返し、それを観察しながら体をリラックスさせていきます。
人は考え事をしていたり、不安や恐怖に襲われたりすると、無意識に体に力が入ってしまいます。
漸進的筋弛緩法は、筋肉をあえて一度緊張させてから一気に力抜くことを繰り返し、緊張している状態と力が抜けて脱力している状態を、体に理解させるのです。
漸進的筋弛緩法のメリットは、体の緊張がほぐれることで心もリラックスするできることです。
その結果、筋肉が過緊張して起こる痛みやしびれの改善、イライラや不安感、気分の落ち込み、無気力の解消にもつながりやすくなります。
漸進的筋弛緩法には、このほか、寝つきや睡眠の質の改善、疲労、憂うつの軽減、集中力の改善、自己肯定感の増加、血流の改善、緊張性頭痛の改善などの効果も期待できるといわれています。
次に、その具体的な実施法を見ていきましょう。
筋弛緩法(ジェイコブソンの漸進的筋弛緩法)をやってみよう!
1,意識
目を閉じ、筋肉の緊張と弛緩を繰り返し、その弛緩した状態に意識を向けて一番緩んだ状態を認識し、その状態を意識的に再現することで筋肉の疲労などを緩和させる。
2,基本動作
椅子に腰掛け、背もたれに背中はつけずに浅く座ったまま行う。
各部位の筋肉に対し、5秒から10秒間、6~7割の力を入れ、急に脱力、弛緩している状態を観察する。
なるべく静かな場所で、できれば時計やベルト、メガネなど、体を締めつけるものは外して行う。
3,実践してみよう
・顔:目と口をギュッとつぶり、歯を噛み締めて力を入れる(5-10秒)→脱力(15秒ほど)
・首:右や左に傾けて力を入れる(5-10秒)→脱力(15秒ほど)
・肩:両肩をすくめるように上げ、肩を耳まで近づけて力を入れる(5-10秒)→脱力(15秒ほど)
・背中:肩甲骨を引き寄せ、顔をできるだけ前に突き出す(5-10秒)→脱力(15秒ほど)
・両手:手を伸ばし、握りこぶしを作り5-10秒間握る→脱力(15秒ほど)
・足の前側:両足を伸ばし、つま先を上に上げて足の前側全体に力を入れる(5-10秒)→脱力(15秒ほど)
・足の後ろ側:両足を伸ばし、足の後ろ側の筋肉に力を入れる(5-10秒)→脱力(15秒ほど)
・最後に全身:全身に力を入れる(5-10秒)→脱力(15秒ほど)
各箇所最低2回は行いましょう。初めは力の抜き方が分からない方でも、一度力を入れて抜くと力が抜けている感じが分かるようになるでしょう。
これを繰り返すことで、意識的に力が抜けるようになってきます。
漸進的筋弛緩法について、文部科学省のホームページにも記載されていますので、より詳しく知りたい方は検索してみてください。
文部科学省ホームページ:https://bit.ly/1meXiOv
- 息を吸いながら6~7割程度の力を5~10秒入れ続ける
- スパッと力を抜き、抜けた状態を15秒ほど観察する
- 各部最低2回は行う
- 終了後は脱力してよろけることがあるので、必ず屈伸や伸びをして力を戻してから終了する(そのまま寝る場合はしなくてOK)
次の項目に該当する方は実施は控えてください。
- 心臓や肺などの循環器に疾患がある方
- 脳出血や脳梗塞の経験がある方