
これまでもお伝えしてきましたが、
慢性痛の改善には「誤った思い込みの修正」がとても重要です。
今日はその前提となる、情報の受け取り方について考えてみましょう。
診断名をどう受け止めるか
例えば、病院で
- 「椎間板ヘルニアですね」
- 「脊柱管狭窄症です」
と告げられたとします。
その瞬間、
「私はヘルニアなんだ」
「私は狭窄症だから仕方ない」
と強く思い込んでしまっていないでしょうか。
もちろん医師の診断は大切です。
しかし、診断名=痛みの原因の確定とは限りません。
損傷モデルからの変化
骨の変形や神経の圧迫を痛みの原因とする考え方を「損傷モデル」といいます。
かつては主流でしたが、近年では、
- 画像所見と症状の不一致
- 比較対照試験の結果
- 神経生理学の進歩
などにより、痛みはもっと複雑なものだと分かってきました。
現在は「生物心理社会モデル」という、
身体・心理・社会的要因を含めて捉える考え方へと移行しています。
思い込みは身体に影響する
人間の脳は、思い込みによって強く反応します。
「悪いものがある」
「治らないかもしれない」
という不安や恐怖は、痛みの感受性を高め、回復を遅らせることがあります。
逆に、
「大きな問題ではない」
「改善の余地がある」
と理解できるだけで、症状が軽くなることもあります。
思い込みは、それほど強く身体に作用するのです。
情報は一方向ではない
テレビ番組 ためしてガッテン では
「椎間板ヘルニアは必ずしも有罪ではない」と紹介されました。
また、NHKスペシャル
「腰痛治療革命」でも、慢性痛の新しい理解が取り上げられています。
情報は一方向ではありません。
一つの説明だけを絶対視せず、
複数の視点から考えてみることが大切です。
心配しすぎなくてよいケースも多い
レントゲンやMRIで異常が見つかっても、
- がんや内臓疾患
- リウマチや結晶誘発性関節炎
- 膀胱直腸障害
- 進行性の麻痺
といった重大な所見がなければ、
多くの場合は過度に心配しなくてもよいケースが多いのです。
では、どうすればよいか
・古い考え方だけに縛られず、新しい知識を学ぶ
・不安、恐怖、怒りなどの強い感情を抱え込みすぎない
・身体を動かす
・楽しい、嬉しい、気持ちよい体験を増やす
・依存物質の摂り過ぎを避ける
・生活リズムを整える
症状は突然の敵ではありません。
身体からの“警告信号”です。
体の声を聞き、生活や考え方を少しずつ整えていく。
それが、回復への近道になることが多いのです。



