
- 母指CM関節症は、親指の付け根にある関節の変化によって、つまむ・ひねる・握る動作で痛みが出る状態です。
- ただし、レントゲンで関節の変形が確認されても、その変形だけですべての痛みを説明できるとは限りません。
- 親指を動かす筋肉の筋膜性疼痛症候群(MPS)や、手首・親指周辺の関節機能障害が重なり、痛みを強めている可能性もあります。
ペットボトルのふたを開けると親指が痛む
「ペットボトルのふたを開けると、親指の付け根がズキッとする」
「洗濯ばさみをつまむのがつらい」
「包丁やスマートフォンを持っていると痛くなる」
このような症状で病院を受診し、母指CM関節症と説明された方は少なくありません。
母指CM関節は、親指の付け根にあり、手首の骨である大菱形骨と第1中手骨によって構成されています。
親指を開く、向きを変える、物をつまむといった複雑な動きを担うため、日常生活で負担がかかりやすい関節です。
母指CM関節症では、親指の付け根の痛み、腫れ、つまむ力の低下などがみられます。
特に、瓶のふたを開ける、鍵を回す、ドアノブをひねるといった動作で痛みが強くなりやすいとされています。
変形があるから、ずっと痛いとは限りません
レントゲンで「関節の隙間が狭くなっている」「骨に変形がある」と説明されると、
「骨が変形しているから、もう良くならないのでは」
と不安になる方もいらっしゃいます。
しかし、画像上で母指CM関節症の所見が確認されても、症状がない方もいます。
また、画像上の変化だけで、現在感じている痛みの強さや動作のしにくさをすべて説明できるとは限りません。
大切なのは、変形の有無だけを見るのではなく、
- どの動作で痛むのか
- どこを押すと痛むのか
- 親指や手首がどの程度動くのか
- 筋肉に力を入れたとき痛みが変化するか
- 首や前腕を含め、ほかの場所から痛みが生じていないか
まで確認することです。
親指を動かす筋肉が痛みを起こすこともあります
親指は、母指CM関節だけで動いているわけではありません。
親指を開く、伸ばす、曲げる、ほかの指と向かい合わせるために、手や前腕にある複数の筋肉が働いています。
これらの筋肉に過度な負担がかかり、筋膜性疼痛症候群(MPS)が生じると、親指の付け根や手首周辺に痛みを感じることがあります。
たとえば、
- スマートフォンを長時間操作する
- パソコンのマウスを繰り返し使用する
- 包丁やハサミを頻繁に使う
- 荷物をつまんで持ち上げる
- 親指に力を入れたまま作業する
といった習慣は、親指や前腕の筋肉に負担をかけます。
この場合、関節の変形が痛みの背景にあったとしても、筋肉の状態を整えることで、動作時の痛みが軽くなる可能性があります。
手首や親指の関節機能も確認します
関節に変形があることと、関節が適切に動いていることは別の問題です。
母指CM関節や手首周辺の関節にわずかな動きの偏りや機能低下があると、親指を動かす際に一部へ負担が集中することがあります。
このような状態を当院では、関節機能障害の観点から確認しています。
痛む場所だけを強く揉んだり、無理に親指を動かしたりするのではなく、手首、前腕、親指の動きのつながりを確認することが重要です。
サポーターを使っても痛みが続くときは
母指CM関節症では、親指の付け根を支える装具やサポーター、負担となる動作の見直しなどが行われます。
症状によっては、病院で注射や手術などが検討されることもあります。
サポーターは関節への負担を減らすために役立ちますが、長期間固定し続けると、親指を動かす筋肉が硬くなったり、動きにくくなったりする場合があります。
使用時間や使用場面については、病院の指示を確認しながら調整しましょう。
また、強い腫れや熱感がある、急に動かせなくなった、外傷後から痛みが続いている、しびれや筋力低下がある場合は、まず病院での評価が必要です。
「変形しているから仕方がない」と諦める前に
母指CM関節症と説明されても、痛みの原因が一つだけとは限りません。
関節の変化に加えて、親指や前腕の筋肉、手首周辺の関節機能、日常生活での使い方などが重なっていることがあります。
「湿布やサポーターを使っているけれど変わらない」
「日によって痛みが違う」
「親指以外の場所まで重く感じる」
という場合は、母指CM関節だけでなく、親指を動かす筋肉や手首、前腕の状態も一度確認してみてください。
おおしま接骨院では、病院での診断や検査結果を尊重したうえで、筋膜性疼痛症候群や関節機能障害など、画像には映りにくい要因についても確認しています。
お困りでしたらご相談ください。




