
目次
― 体だけの問題ではない理由 ―
「痛いのは体なのに、なぜ脳の話になるのですか?」
これは、とても自然な疑問です。
実際、痛みが出ているのは腰や足、肩など体の一部ですから。
ですが、結論から言うと
👉 痛みを“感じている場所”は脳です。
痛みは、体から脳への「お知らせ」
体の中には、
熱・圧・引き伸ばしなどを感知するセンサーがあります。
それらが刺激を受けると、
神経を通じて脳に情報が送られます。
ただし、ここで重要なのは、
👉 その情報を「痛み」と判断するかどうかを決めているのは脳
という点です。
同じ刺激でも、
- 痛く感じるとき
- ほとんど気にならないとき
があるのは、このためです。
脳は「安全かどうか」を常に判断している
脳の役割は、
体を守ることです。
そのため脳は、
「これは危険か?」
「この刺激は放っておいて大丈夫か?」
を常に判断しています。
もし脳が
👉 「これは危険だ」
と判断すれば、
痛みという形で注意を促します。
逆に、
安全だと判断すれば、
同じ刺激でも痛みは弱くなります。
慢性痛では、脳が過敏になっていることが多い
慢性痛の場合、
体の組織そのものが大きく壊れているというより、
- 痛みが長く続いた
- 不安や恐怖が重なった
- 動くたびに痛みを警戒するようになった
こうした経験を通じて、
👉 脳が「危険を予測しすぎる状態」
になっていることが多く見られます。
その結果、
- 少しの刺激でも痛い
- 以前は平気だった動作が怖い
- 画像では説明できない痛みが続く
といった状態が起こります。
「気のせい」ではありません
ここで誤解してほしくないのは、
脳の話=気のせい、ではないということです。
痛みは、
👉 本人にとっては100%現実の体験
です。
ただ、
「壊れているから痛い」のではなく
「守ろうとして痛みを出している」
というケースがある、というだけです。
この考え方は、
近年の慢性痛に関する研究や臨床現場でも、
共通して示されています。
脳が関係しているからこそ、回復できる
脳は、
学習して過敏になった一方で、
👉 学び直すこともできる
という特徴を持っています。
- 安全だと分かる経験
- 体が大丈夫だと実感できる動き
- 不安が下がる説明
これらが積み重なることで、
脳は「もう強い痛みを出さなくていい」と判断し始めます。
まとめ
― 痛みと脳を知る意味 ―
- 痛みは脳で感じている
- 慢性痛では、脳が過敏になっていることが多い
- それは異常でも弱さでもない
- 正しい理解は、回復への第一歩になる
「脳が関係している」と聞くと、
不安になる方もいます。
ですが実際には、
👉 脳が関係しているからこそ、回復の道が残っている
とも言えます。
痛みを
「怖いもの」から
「理解できるもの」へ。
それが、慢性痛から抜け出すための大切な視点です。


