膝の痛みとベーカー嚢腫(のうしゅ)

ベーカー嚢腫とは?

ベーカー嚢腫(Baker's cyst)とは、膝の裏側に関節液(いわゆる“水”)がたまる状態のことです。
外科医 William Morrant Baker によって報告されたことから、この名称がついています。

多くの場合、ベーカー嚢腫があっても症状は出ません。

症状が現れる場合は、

  • 膝裏の張り感・違和感
  • 動かしづらさ
  • 曲げ伸ばしの際の痛み

などがみられます。


なりやすい方

ベーカー嚢腫は、次のような状態と併存することがあります。

  • 変形性膝関節症
  • 関節リウマチ
  • 半月板損傷
  • 膝の使い過ぎ

なぜ膝の裏に「水」がたまるのか?

膝関節は「関節包」という袋に包まれており、その中には滑液(関節液)が存在しています。

この滑液は、

  • 関節の動きを滑らかにする
  • 軟骨へ栄養を届ける

という大切な役割を担っています。

ベーカー嚢腫は、この関節包の一部が袋状に外へふくらみ、そこへ滑液が入り込んだ状態と考えるとイメージしやすいでしょう。


検査と治療

確認は、

  • 超音波検査
  • MRI(磁気共鳴画像法)

などで行われます。

治療はまず保存療法(安静・炎症管理など)が基本です。
改善が乏しい場合には、

  • 嚢腫内の液体を抜く穿刺
  • ステロイド注射
  • 手術的切除

が検討されることもあります。

(参考文献:PubMed PMID: 25102502)


重要なポイント

「ベーカー嚢腫=痛み」ではありません

ここが非常に大切です。

膝にベーカー嚢腫が見つかると、
「この嚢腫が痛みの原因だ」と考えがちです。

しかし、嚢腫があっても痛みがない方は多く存在します。

つまり、

嚢腫がある = 痛みの原因
ではないのです。


本当に多い痛みの原因

膝の痛みで多いのは、
筋肉内の痛みセンサーが過敏になっている状態です。

筋肉やその周囲組織の緊張が続くと、
痛みを感じ取るセンサーが過剰に反応するようになります。

まず目指すべきは、

✔ 筋肉の緊張を整える
✔ 痛みセンサーの沈静化

です。

画像に写る“構造”だけでなく、
実際に興奮している“機能”を見ることが重要です。


まとめ

  • ベーカー嚢腫は膝裏に関節液がたまる状態
  • 多くは無症状
  • 嚢腫があるからといって痛みの原因とは限らない
  • 膝の痛みは筋肉由来であることも多い

構造と症状は必ずしも一致しません。
冷静に原因を見極めることが改善への第一歩です。

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