膝に水がたまる

「膝に水がたまる」とはよく聞くものです。膝に水がたまるとは、膝の関節を包んでいる袋、関節胞に関節内の液体(関節液)が溜まってしまう状態です。

この関節液は平常時より少量関節胞に存在していますから、皆さんの膝にも必ずあります。通常は無色透明から若干黄色がかった色です。関節が滑らかに動くように潤滑油の様な働きをしたり、関節内に栄養を与える働きをしています。

この関節液は滑膜で新しく作られたり吸収されていますが、関節周囲のセンサー(受容器)等に異常が発生すると、滑膜から滑液が過剰に分泌されてしまい、その結果関節胞に関節液が溜まってしまいます。

これがいわゆる「膝に水が溜まった」状態です。

この様な状態になると、量にもよりますが、関節胞に圧力がかかり外側に膨らむ力が加わるため、物理的に痛みセンサーを刺激して痛みになったり、違和感やだるさを感じることになります。

水が溜まる原因は様々で、無色透明ややや黄色がかった色でしたら関節内外の受容器障害が考えられますし、赤い場合やギラギラ油の混じった様な状態は関節内出血を考えなければで、白く濁っていたりしたら細菌感染を考えなければいけません。

この中で一番多いのは無色透明から黄色がかった関節液の貯留ですが、皮膚や関節胞等の軟部組織に刺激を与えることでその場で水腫が小さくなる、吸収されるという現象をよく目にします。これは施術前、施術後で超音波観察機で何例も確認しています。

昨日も膝に関節水腫がある方を施術した所、その場でとても小さくなりましたので、驚いていました。(もちろん全例がその場で変化するわけではないですよ)

これで何が考えられるかというと、関節液の量は関節周囲のセンサー(受容器)が管理している可能性がある、ということです。ですからセンサー(受容器)に機能障害が発生すると吸収と排出のバランスが崩れて関節液が貯留してしまうのでしょう。

どの受容器(センサー)を刺激することによってこの様な状態になるかは現在のところ分かりませんが、もし筋肉や皮膚にある受容器(センサー)を刺激することによって余計に溜まってしまった関節液が消退するならば、ご自身で改善できる可能性はありますね。

 

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