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―「よくあること」だからこそ、放置しないでほしい理由―
出産後の腰痛に悩まれている方は、決して少なくありません。
当院にも、産後しばらくしてから腰の痛みを訴えて来院される方が多くいらっしゃいます。
いわゆる「産後腰痛」とは、
出産をきっかけに現れた腰の痛みを指します。
出産は、体にとって大きな出来事です
出産は、赤ちゃんを迎える喜びの一方で、
体にとっては非常に大きな負担を伴います。
強い痛みの体験に加え、
赤ちゃんが産道を通る際には、
骨盤周囲(仙腸関節や腰部)の感覚受容器に大きな刺激が加わります。
この過程で、
- 痛みを感じる仕組みが一時的に乱れる
- 関節周囲の反応が過敏になる
といったことが起こり、
腰痛として現れることがあります。
仙腸関節は「全身のバランス」に関わります
骨盤にある仙腸関節は、
体の動きや力の伝達に深く関わる関節です。
この部分の働きが乱れると、
- 腰だけでなく
- 膝
- 手首
- 股関節
など、体の別の部位にまで痛みや違和感が広がることもあります。
出産直後は、
- 睡眠不足
- 心身の不安定さ
- 栄養状態の変化
も重なりやすく、
こうした要因が腰痛に影響することも少なくありません。
産後腰痛は、比較的回復しやすい痛みです
産後の腰痛は、
強い心理社会的ストレスが重なっていない場合、
比較的回復しやすい腰痛であることが多いです。
もちろん個人差はありますが、
適切な時期に体を整えていくことで、
痛みが自然と落ち着いていくケースも多く見られます。
ただし「長引かせない」ことが大切です
痛みは、
強い状態が長く続くほど、慢性化しやすくなる
という特徴があります。
そのため当院では、
- 骨盤矯正は産後1か月以降に行う
- それまでの期間でも、痛みに対する施術や評価は行う
という考え方を取っています。
慢性化してからでも改善する方は多いですが、
一部には痛みが取れにくくなるケースがあるのも事実です。
だからこそ、
「様子を見すぎない」ことが大切になります。
「骨盤の歪み」や「椎間板」が原因とは限りません
研究では、
- 妊娠している方と、していない方で
腰の椎間板の状態に大きな差はなかった - 骨盤の歪みと腰痛の有無には、明確な関連が見られなかった
といった結果も報告されています。
つまり、
👉 産後腰痛は、単純に「骨が歪んだから」「ヘルニアがあるから」
起きているわけではない
ということです。
まとめ
- 産後腰痛は珍しいものではありません
- 出産という大きな体験が影響しています
- 多くの場合、回復しやすい腰痛です
- ただし、長引かせると慢性化することがあります
- 早めに体を評価し、整えることが大切です
「産後だから仕方がない」
と我慢してしまう方も多いのですが、
無理をする必要はありません。
体が回復しようとしているサインとして、
腰痛を捉えていただければと思います。



