これらを伝えてもバックファイア効果起こして思い込みを強化してしまうのが悩みどころ

自分の認識に対して反論や挑戦的な情報があるとより自分の考えを強化してしまう現象のことをバックファイア効果(backfire effect)と言います。

これが実に厄介で、ストレートネックにしてもそうですが、骨盤の歪みと痛みは無関係、骨の変形や椎間板の狭小化も痛みと関係ないなどと指摘しても相手がバックファイヤを起こしてしまうと自分の考えをより強化してしまうのでそれ以上施術が進まなくなることが多々あります。

思い込みが症状を作ることがある 痛みを想像すると痛みが増す

人の体は不思議で、思い込みで症状を作ることもあるんです。

健康な男性10名に痛々しい場面や恐怖を煽るような写真を見せ、それが自分の体に起きていると想像してもらい、脳の活動をfMRIで調べた研究があります。
その研究によると、痛みや恐怖を想像すると、想像するだけで脳のペインマトリックス(脳の痛み関連領域)が活性化することがわかりました。
体が痛いと気持ちが落ち込み、痛みのことばかり考えがちですが、この実験ではそれでは痛みを自ら悪化させている可能性があるということが示されました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=16855007

これは先日のNHKためしてガッテンでも痛々しい映像を見たあとの痛みは強く感じるという実験が放送されていましたね。

侮れないノーシーボ効果(無意識の作用)

先にも書いた痛みを想像するだけで脳の痛み関連領域が興奮する、というのもそうなのですが、もう一つ紹介します。

無意識は思い込んだことを現実化しようとする働きがあります。
無意識の性質なのですが、自身の首がストレートネックで、ストレートネックは悪いもの、肩こりや頭痛の元だと認識していると、それを現実化しようとするのです。

これを別の説明でするとノーシーボ効果と言いますが、ノーシーボ効果とはこれは体に悪そうだという思い込みにより実際に何らかの症状を起こす現象を指すものです。

ドイツのマインツ大学で行われた研究によると、147人の被験者に「電磁波の健康被害」に関するテレビ番組を見てもらったあとにWi-Fi(無線インターネット装置)を作動させたところ、54%の人が番組内で紹介されたような電磁波の健康被害の症状を発生させました。

ところが、そのWi-Fi装置は偽物で、実際には電磁波も電波も何も出していなかったのです。
つまり被験者の54%はWi-Fiの電磁波は体に悪そうだという思い込みによって症状を作り出してしまったということです。

ノーシーボ効果に関しては他にもいろんな実験が行われていますので、興味ある方は調べてみてくださいね。

自衛のために勉強する必要 メディカライゼーションから自分を守る

研究の成果がすぐに反映されていけば良いのですが、なかなかそうも行かないのが現実です。
前々からお伝えしているように、日本の痛み医療は諸外国から遅れること20年以上と言われています。

様々な要因によると思いますが、病気にする必要の無いものも病気だと決めつけ医療の対象にしている場面も多々見られます。

本来病気ではなく、医療の対象にならないものを病気としてしまうことをメディカライゼーションと言います。

見ていると意識的にしている医療関係者もいますが、無意識にしている方が多いようです。
学校で教わったことをそのまま信じて伝えてしまっているんですね。

忙しくて知識のアップデートをする時間が無いのかもしれませんが、言われた方はそれで一生が変わってしまう可能性もあるため、そこは頑張って勉強して病人づくりをしないほうがいいのではないでしょうか。

症状を抱えた患者さん側も、医療には商売の側面があることを意識して、知識のアップデートをして自分の体は自分で守るようにしていきましょう。

治すべきは体の歪みじゃなくて認知(思い込み)の歪みなんですよ^^

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