1997年、オーストラリアにおいて「腰痛に屈するな」というメディアを使った一大キャンペーンが行われました。これはテレビ、ラジオ、新聞、ポスター、看板、小冊子などを使い、腰痛の新しい常識を広く普及させ、腰痛は決して怖いものではないこと、安静にするよりも日常生活動作を続けたほうが改善が早いことなどを紹介したのです。
オーストラリアも国民の五人に一人が慢性的な痛みで悩まされています。
キャンペーンの結果、医療費の大幅な削減に成功しました。
これは何を意味するのでしょうか。
腰痛だけではないですが、運動器の痛みに対する誤った思い込みを修正することで痛みから開放される方がたくさんいる、ということではないでしょうか。
事実、オーストラリアなどでは思い込みを修正したことで医療費を削減することに成功しています。
骨の変形や神経に対する圧迫を痛みの原因とする考え方を「損傷モデル」といいますが、いろんな矛盾や、説明できないことが多くなってきたために現在は生物心理社会モデルに移行しつつあります。
痛みがあるからと活動性が低下するとより痛みが増えてしまうことがあります。ですから勇気を持って知識を得て体を動かしましょう。
多くの場合、痛みは筋膜性疼痛症候群だったり関節の固有受容器の誤作動だったりですから、適切な対処をすれば痛みから開放されることが多いのです。