
ヒプノセラピー(催眠療法)とは心理療法の一つ
催眠療法とは数ある心理療法の一つで、今の形になったのは18世紀になってからですが、かなり昔から同じようなことがされていたようです。
17世紀、ドイツ人医師フランツ・アントン・メスメルが動物磁気説を提唱し、治療行為を行なっていました。
最盛期には1日に数千人のクライアントたちが彼の元を訪れたそうです。
その後イギリス、スコットランドの外科医、ジェームス・ブレイドが言語暗示で催眠に導入することに成功すると、ギリシャ語の眠りを意味するヒプノからヒプノチズムと名付けられました。
これがそのまま翻訳されて日本では催眠術になったのです。
催眠療法(ヒプノセラピー)では、催眠現象によっておこされる様々な変化を用いてセラピーが行われます。
催眠状態はそれ自体がとてもリラックスした状態ですから、脳や体から余計な力が抜けて様々な効果が期待できます。
たとえば、催眠状態のリラックス効果により、自律神経が安定したり、脳から力みが抜けますのでストレスから解放されたり、体の痛みや、そのほかの諸症状の改善が期待できます。
その他にも使い方によって
・体の諸症状の改善
・トラウマの克服
・苦手の克服(恐怖症)
・心身症
・自然治癒力の活性化
・座学や運動の集中力アップおよび能力向上(ゾーンに入りやすくなる)
・アイデアやひらめき
・原因のわからない不安や悩みにとらわれている方
・ストレスマネジメントの体得
・心の安らぎや癒やし
など、いろんなことにヒプノセラピーは使えます。
ヒプノセラピーは大昔からおこなわれていた。
現代の形になったのは17世紀。
ヒプノセラピー(催眠療法)はいろんな使い方ができる。
催眠の暗示で問題は解決しない
ヒプノセラピー(催眠療法)を行い、「催眠術師に悩みを解決する暗示を入れてもらえば問題が解決する。」そう考えている方が少なくないと思います。
しかし、ごく軽い緊張やストレスから発生していた症状を除けば、暗示では悩みの解決はできませんし、実際にはそういった使い方はしません。
深い催眠状態にしたクライアントに暗示を与えると一時的に問題が解決したように感じますが、一時的なものであり、すぐに元の自分に戻ってしまいます。
これはホメオスタシスという人間の機能で、常に一定でいようとする強い力が働くためです。
この力は強く、他人からの暗示ではびくともしないのです。
それなのにネットや雑誌を見るとそれらしいことが書いてある。
藁にもすがる思いで訪れるクライアントさんは結局泣き寝入りしてしまうのです。
暗示で問題は解決しない
それぞれ問題に適したやり方がある
例えば嫌いな食べ物を食べるようにしたい場合、それがいわゆる「食わず嫌い」だった場合や、生命に危険が及ぶような経験をしていない場合、中程度まで催眠が深くなっていれば味覚を一時的に変えることができますし、子どもの頃経験した苦手な味は大人になると変わっている場合も多く、すんなり食べられるようになったりしますが、それが例えば食中毒を起こして大変な思いをした食材などは催眠ではどうにもできません。
これは潜在意識が自身を守ろうとしているためです。死ぬような経験をした食材は潜在意識が「それを食べちゃだめだよ」と警告してくれているんですね。
潜在意識は通常の意識状態で不安な気持ちでいるときに恐怖するような情報を叩き込まれると変わったりしますが、催眠状態では催眠が深くなればなるほど潜在意識が活性化して自分を守ろうとするため、暗示での情報書き換えなどできないのです。
では催眠では何も問題が解決しないのかというと、そうではありません。
問題ごとに改善にむけての対応の仕方があるのです。
例えば高所恐怖症であれば、催眠状態で繰り返し恐怖の対象にたいして経験を重ねていく、これを恐怖突入と言いますが、催眠状態では臨場感がともないますので、階段を登っていると言われれば階段が見えたり、実際に登っている感じがします。
この催眠特有の現象を使い、現実では辛さのあまりできないこともイメージの中でできるようにしていく、これをメンタルリハーサルといいます。
このメンタルリハーサルを行い、徐々にならしていき、現実でも恐怖突入を繰り返し、克服できれば終了となります。
他にもトラウマにはトラウマの対処方法があるわけで、暗示で解決するほど簡単ではないのです。
それぞれ問題には対応の仕方があり、暗示では解決しない。
体の痛みにしても単純ではないことがあります。
慢性痛とよばれる状態がそうで、慢性的な痛みには必ず心理社会的な問題があると言われています。
なかには慢性痛でもすぐに改善する方もいるのですべての慢性痛がそうだというわけではありませんが、
それは人間関係での悩みかもしれません。
もしかしたら過去のトラウマが影響しているのかもしれません。
やりたくないことを我慢しているのかもしれません。
怒りを抑え込んであふれているのかもしれません。
寂しい思いをしているのかもしれません。
他人に理解してもらえてないのかもしれません。
意識が自覚しているしていないに関わらず、なにかしらの問題があるわけです。
自覚していない場合、催眠での精神分析が役に立ちます。
この場合、いろんな方法がありますが、その中の一つに自分との対話法という方法があります。
ある程度催眠を深めていき、催眠状態のまま「あなたの目の前に壁があります。その向こう側にはもう1人のあなたがいます」と暗示すると、もう1人の自分が現れます。もう1人の自分は悩んでいたり、泣いていたり、いろいろな状態で現れます。そのもう1人の自分に話しかけるといろんな答えを返してくれるのです。
結果的に深層心理の状態がわかりますが、この催眠特有の現象を使った分析を催眠分析と言います。
意識では思っていもいなかったことを言われることがあり、自分でも驚いたりします。
もう一つ、痛みの原因を調べる方法にこんな方法を使うこともあります。
ある程度深い催眠状態にした後、催眠は後催眠暗示といって、催眠から覚めたあとに発動するように暗示を入れておくことができます。
これを利用して例えば腰が痛い方に「目が覚めた後、あなたの腰を痛めつけている人に会うと左肩が痛くなります。」などと暗示しておくと痛みの原因になっている人が判明したりします。
他にも様々な方法がありますが、このようになんでもかんでも暗示で解決などできないのがおわかりいただけたでしょうか。
日本は痛み医療が諸外国に比べて20年以上遅れていると言われており、医療従事者側もクライアント側もレントゲンやMRIの変化を元に痛みの原因を見ていきますが、レントゲンやMRIは筋骨格系の痛みに対してはあまり役に立たないことがわかってきているんです。だから危険信号(レッドフラッグ)がなければ撮らないことを勧められているのですが、システムが追いついていない日本の医療現場ではなかなかそれができません。
厳しいことを書いたかもしれませんが、正しい知識を得て悩みを克服していきましょう。
体の痛みでも単純ではないことがある


