催眠の暗示で問題は解決しない

ヒプノセラピー(催眠療法)を行い、「催眠術師に悩みを解決する暗示を入れてもらえば問題が解決する。」そう考えている方が少なくないと思います。
しかし、ごく軽い緊張やストレスから発生していた症状を除けば、暗示では悩みの解決はできませんし、実際にはそういった使い方はしません。
深い催眠状態にしたクライアントに暗示を与えると一時的に問題が解決したように感じますが、一時的なものであり、すぐに元の自分に戻ってしまいます。
これはホメオスタシスという人間の機能で、常に一定でいようとする強い力が働くためです。
この力は強く、他人からの暗示ではびくともしないのです。

それなのにネットや雑誌を見るとそれらしいことが書いてある。
藁にもすがる思いで訪れるクライアントさんは結局泣き寝入りしてしまうのです。

ポイント

暗示で問題は解決しない

それぞれ問題に適したやり方がある

例えば嫌いな食べ物を食べるようにしたい場合、それがいわゆる「食わず嫌い」だった場合や、生命に危険が及ぶような経験をしていない場合、中程度まで催眠が深くなっていれば味覚を一時的に変えることができますし、子どもの頃経験した苦手な味は大人になると変わっている場合も多く、すんなり食べられるようになったりしますが、それが例えば食中毒を起こして大変な思いをした食材などは催眠ではどうにもできません。
これは潜在意識が自身を守ろうとしているためです。死ぬような経験をした食材は潜在意識が「それを食べちゃだめだよ」と警告してくれているんですね。

潜在意識は通常の意識状態で不安な気持ちでいるときに恐怖するような情報を叩き込まれると変わったりしますが、催眠状態では催眠が深くなればなるほど潜在意識が活性化して自分を守ろうとするため、暗示での情報書き換えなどできないのです。

では催眠では何も問題が解決しないのかというと、そうではありません。
問題ごとに改善にむけての対応の仕方があるのです。

例えば高所恐怖症であれば、催眠状態で繰り返し恐怖の対象にたいして経験を重ねていく、これを恐怖突入と言いますが、催眠状態では臨場感がともないますので、階段を登っていると言われれば階段が見えたり、実際に登っている感じがします。
この催眠特有の現象を使い、現実では辛さのあまりできないこともイメージの中でできるようにしていく、これをメンタルリハーサルといいます。
このメンタルリハーサルを行い、徐々にならしていき、現実でも恐怖突入を繰り返し、克服できれば終了となります。

他にもトラウマにはトラウマの対処方法があるわけで、暗示で解決するほど簡単ではないのです。

ポイント

それぞれ問題には対応の仕方があり、暗示では解決しない。

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