
中高年の膝の痛みに対する関節鏡手術
中高年の膝痛に対して、関節鏡視下手術(いわゆる“膝の掃除”)は長年広く行われてきました。
しかし近年、その有効性に疑問が投げかけられています。
デンマークの
University of Southern Denmark の
Jens B. Thorlund らは、
- ランダム化比較試験(RCT)
- 観察研究
を統合したメタ解析を実施しました。
結論
レントゲンで変形性関節症が確認されているかどうかに関わらず、
中高年の膝痛に対する関節鏡手術の実施を支持する根拠は乏しい。
効果はあったとしても「わずか」であり、
その臨床的意義は限定的とされています。
なぜ問題になるのか
ここで重要なのは、
- 画像所見がある
- 半月板損傷がある
- 軟骨がすり減っている
= 手術が必要
とは限らない、という点です。
構造的変化と症状は必ずしも一致しません。
臨床的示唆
このメタ解析は、
✔ 痛みの原因を構造だけに求めることの限界
✔ 保存療法の重要性
✔ 適応の慎重な検討
を改めて示しています。
膝痛治療は「削るかどうか」ではなく、
- 痛みの性質
- 機能障害の程度
- 生活背景
- 心理社会的因子
を総合的に見る必要があります。
参考文献
Thorlund JB, Juhl CB, Roos EM, Lohmander LS.
Arthroscopic surgery for degenerative knee: systematic review and meta-analysis of benefits and harms. BMJ. 2015;350:h2747. doi:10.1136/bmj.h2747.


