急性坐骨神経痛に経口ステロイドは有効か

JAMA 2015より

椎間板ヘルニアによる急性神経根障害に伴う坐骨神経痛に対して、経口ステロイド薬は日常診療で比較的よく用いられています。

しかし実は、十分な統計学的パワーを備えたランダム化比較試験(RCT)による明確な検証は、これまでほとんど行われていませんでした。

そこで、米国カイザー・パーマネンテ北カリフォルニアの
Harley Goldberg らの研究グループが検討を行いました。

その結果は、JAMA(2015年5月19日号) に報告されています。

研究結果のポイント

短期間のプレドニゾン投与により、

  • ✔ 身体機能障害は一定程度改善
  • ✖ 疼痛そのものへの明確な効果は認められず

という結果でした。

つまり、

「動きやすさ」はやや改善するが、「痛み」はあまり変わらない

ということになります。


臨床的にどう考えるか

この結果から言えることは、

  • 痛みを強く抑える目的での期待は限定的
  • ただし機能改善という観点では一定の意義がある可能性

という整理になります。

急性期の坐骨神経痛では、

  • 痛みの強さ
  • 生活機能への影響
  • 自然経過
  • 副作用リスク

これらを総合的に判断する必要があります。

特に、疼痛軽減を主目的に使用する場合は、期待値の設定を誤らないことが重要です。


臨床現場への示唆

この研究は、「よく使われている治療=痛みに効く」とは限らない、ということを改めて示しています。

急性坐骨神経痛では、

  • 経過観察
  • 活動性の維持
  • 過度な安静の回避
  • 患者教育

といった基本戦略の重要性も再確認されます。

治療選択は、「痛みの強さ」だけでなく「機能」と「全体像」で考える。

その視点を持つことが、より質の高い臨床判断につながるかもしれませんね。

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