自己催眠・セルフケアは、なぜ慢性痛に有効なのか

―「体を変える」のではなく「反応を変える」―

慢性痛についてお話しすると、
多くの方がこう感じます。

「考え方は分かったけれど、
じゃあ具体的に何をすればいいのですか?」

その答えの一つが、
自己催眠やセルフケアです。


慢性痛で起きている問題は「過剰な防御反応」

これまでお伝えしてきた通り、
慢性痛の多くは

  • 組織が壊れ続けている状態
    ではなく
  • 脳や神経が「守りすぎている状態」

と考えられます。

つまり問題は、
👉 体そのものよりも、体に対する反応の仕方
にあります。


強い刺激が必要とは限らない理由

「痛いのだから、強くほぐさないといけない」
「動かして鍛えないと治らない」

そう思われがちですが、
慢性痛の状態では、
強い刺激がかえって防御反応を強めてしまう
ことも少なくありません。

体が求めているのは、

  • 安全だと感じられる刺激
  • 緊張が自然にほどける体験
  • 「大丈夫だった」という成功体験

です。


自己催眠とは「脳を休ませる技術」

自己催眠という言葉に、
少し構えてしまう方もいますが、
特別なことをするわけではありません。

簡単に言えば、

👉 無意識の緊張を下げ、
👉 脳の警戒レベルを落とす方法

です。

  • 呼吸が深くなる
  • 体の感覚に注意が向く
  • 思考が静かになる

この状態では、
脳は「今は安全だ」と判断しやすくなります。


セルフケアの本当の目的

セルフケアの目的は、
「自分で治すこと」ではありません。

本当の目的は、

👉 体が回復できる状態を、日常の中で維持すること

です。

施術で一時的に楽になっても、
日常で緊張や不安が続けば、
脳はまた痛みを出そうとします。

自己催眠やセルフケアは、
その“戻り”を防ぐ役割を果たします。


「自分でできる」ことが回復を早める

慢性痛では、

  • 何をしてもらうか
    よりも
  • 自分がどう関わるか

が回復に大きく影響します。

「自分で調整できる」
「悪化しても戻せる方法がある」

この感覚は、
脳の警戒心を大きく下げます。

結果として、
痛みそのものも弱まりやすくなります。


施術 × 自己催眠 × セルフケア

当院では、

・状態を丁寧に見極める評価
体の反応を見ながら行う施術
・日常で役立つセルフケアの提案

を組み合わせて行います。

どれか一つだけではなく、
役割の違うアプローチを重ねることで、
回復の土台を整えていきます。


まとめ

― 自己催眠・セルフケアが意味を持つ理由 ―

  • 慢性痛は「壊れた体」ではない
  • 問題は、過敏になった反応
  • 脳の警戒を下げることが回復につながる
  • 自己催眠・セルフケアは、そのための現実的な方法

痛みを
「何とかしなければならない敵」から
「調整できる反応」へ。

この視点を持つことが、
慢性痛から抜け出すための大きな一歩になります。

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