
ポイント
- 画像上「狭窄」があっても症状がない人は多い
- 脊柱管狭窄=痛み・しびれとは限らない
- 麻痺がなければ保存療法が基本
腰部脊柱管狭窄症とは
腰部脊柱管狭窄症とは、
脊髄神経が通る「脊柱管」が何らかの理由で狭くなり、
神経が圧迫されることで痛みやしびれが起こると説明される疾患です。
「神経が圧迫される=症状が出る」
この図式で理解されることが多い病気です。
しかし、ここに大切な視点があります。
画像と症状は一致しない
近年の研究では、
画像上、脊柱管が狭くなっていても
症状がまったくない人が多数存在する
ことが明らかになっています。
和歌山県で行われた住民1009人を対象とした研究では、
画像上狭窄があっても症状があったのは わずか9.3% でした。
つまり、
狭窄があっても、ほとんどの人は無症状
なのです。
(参考:PMID 22796511)
レントゲンやMRIは必要なときに
危険信号(レッドフラッグ)がない場合、
海外のガイドラインでは安易な画像検査は推奨されていません。
画像検査は有用ですが、
- 痛みの原因を必ずしも示すわけではない
- CTやレントゲンには被曝の問題もある
という側面も理解しておく必要があります。
では、なぜ痛むのか?
「狭窄=痛み」ではないとすると、
痛みの正体は何でしょうか。
多くの場合、
筋肉内の痛みセンサーの過敏化
が関与しています。
長期間の緊張やストレス、姿勢の問題などにより、
筋肉が持続的にこわばり、
痛みを感じ取るセンサーが過剰に反応してしまう状態です。
治療はどう考える?
膀胱直腸障害(排尿排便障害)や
進行する麻痺がある場合は緊急対応が必要です。
しかし、それがなければ、
手術ではなく保存療法が基本
という流れに変わってきています。
筋肉と関節の柔軟性を回復させ、
過敏化した痛みセンサーを沈静化させる。
それが改善の鍵になります。
まとめ
- 脊柱管が狭くても無症状の人は多い
- 画像所見と症状は一致しない
- 麻痺がなければ慌てる必要はない
- 多くは筋肉由来の痛み
脊柱管狭窄症と診断されても、
それだけで将来を悲観する必要はありません。
大切なのは、
構造ではなく機能を見ることです。
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