
肩の痛みを訴える方は多い
肩の痛みで来院される方はとても多くいらっしゃいます。
多くは野球肩やいわゆる四十肩・五十肩ですが、
腱板断裂と診断される方もおられます。
「断裂」と聞くと驚かれるかもしれませんが、
実は年齢とともに腱板が切れている方は増えていきます。
腱板とは?
腱板とは、肩関節を安定させる筋群の腱の総称で、
特に棘上筋腱が関与することが多いとされています。
この腱板は加齢変化を受けやすく、
無症状のまま断裂しているケースも珍しくありません。
無症候性肩における腱板完全断裂
造影検査による調査では、
125肩のうち44肩(35.2%)に
腱板完全断裂が認められたと報告されています。
つまり、
断裂があっても痛くない方は多数存在する
ということです。
断裂=痛み、ではない
もちろん、スポーツ外傷などで急性に断裂した場合は痛みが出ます。
しかし、
- いつの間にか断裂していたケース
- 加齢変化の一部として存在しているケース
では、断裂そのものが痛みの主因とは限りません。
肩の痛みの多くは侵害受容性疼痛
肩痛の多くは、
筋肉・靭帯・関節包などに存在する受容器(痛みセンサー)の興奮によるものです。
受容器が過敏になり、
- 筋緊張
- 局所循環低下
- 痛みの増幅
といった悪循環が起こります。
これらを正常化すれば、
一部の例外を除き、多くは改善していきます。
断裂を過度に恐れない
もし腱板断裂そのものが痛みの原因であれば、
受容器や周囲組織へのアプローチで改善するはずがありません。
臨床的には、
断裂があっても痛みが改善するケースは多く見られます。
画像所見に振り回されすぎず、
「今、何が痛みを作っているのか」を見極めること。
それが、肩の痛みを長引かせないための大切な視点だと考えています。



