
痛みの多くは筋肉や関節由来
痛みやしびれの多くは、実は筋肉や関節周囲の軟部組織に由来しています。
ところが現代医療では、画像診断の発達によって
「骨の変形」や「神経の圧迫」に原因を求める傾向が強くなりました。
もちろん、画像によって救われる命もあります。
重大な疾患を見逃さないためには欠かせません。
しかし…、
“痛み”そのものの説明としては、画像だけでは足りない
ということが、さまざまな研究で示されています。
ガイドラインが示したもの
昨年、日本でも腰痛診療ガイドラインが改訂されました。
そこでは、
- 腰痛の発症や慢性化には心理社会的因子が関与する
- 危険信号(レッドフラッグ)がなければ画像検査は不要
と明記されています。
これは腰だけの話ではありません。
肩や膝など、運動器全般に共通する視点です。
「心が痛いと、体も痛い」
ストレスで胃潰瘍になることは、多くの方が知っています。
ではなぜ、
同じストレスが筋肉や関節に影響することは
あまり知られていないのでしょうか。
心に負荷がかかる
↓
自律神経が乱れる
↓
筋緊張が高まる
↓
血流が低下する
↓
痛みが出る
これは特別な話ではなく、
身体の生理反応です。
逆もまた同じです。
体の痛み
↓
不安や恐怖
↓
ストレス増大
↓
痛みの増強
こうして悪循環が生まれます。
胃に出れば胃炎。
肩に出れば五十肩。
腰に出れば腰痛。
現れている場所が違うだけで、起きている現象は“機能の乱れ”です。
神経圧迫は本当に多いのか?
骨の変形や神経圧迫があれば、
本来は麻痺や感覚障害、筋萎縮などの明確な神経症状が出ます。
強い絞扼が起これば
「痛い」より先に「動かない」「感覚がない」が出る。
しかし実際の臨床では、
そのような典型的神経脱落症状は多くありません。
つまり――
痛み=神経が潰れている、とは限らない。
昔のほうが単純だった?
かつては画像機器もなく、
軟骨や神経圧迫という概念も一般的ではありませんでした。
痛みが出たら、
- 休む
- 温める
- ほぐす
- 鍼灸や指圧を受ける
それで回復するケースが多かったのではないでしょうか。
なぜなら、
運動器の痛みの多くは軟部組織由来だからです。
筋肉が柔らかくなり、血流が改善すれば
痛みは自然と軽減します。
複雑にしすぎない
問題は「複雑化」です。
- 骨が変形している
- 神経が圧迫されている
- もう治らない
そう思い込むことで、不安が強まり、
痛みを抑える脳の機能が低下します。
その結果、
痛みが雪だるま式に増えていく。
だからこそ、
- 正しい知識へのアップデート
- 安全な運動
- 身体への安心感の回復
が重要になります。
もっと単純に考えても良いのです。
多くの場合、
身体は壊れているのではなく、
過敏になっているだけかもしれません。
複雑にしすぎないこと。
それが回復への第一歩になることもあります。




