痛みやしびれはほとんどが筋肉由来のものです。
現代医学は幸か不幸か、画像診断機器が発達してしまったおかげで痛みの原因を骨の変形や神経への圧迫に求めるようになってしまいました。
確かに、体の内部を画像化することで救われる方もいます。しかし痛みに関してはなかなかうまくいっていないのです。
それはすでに様々な研究により明らかにされていますが、知らない方はまだまだ多いようです。
昨年末日本でも腰痛診療ガイドラインが発表されましたね。「腰痛の発症と慢性化には心理社会的因子(ストレス)が関与していて、危険信号(レッドフラッグ)がない限り画像検査は不要」とされたものです。http://www.nankodo.co.jp/wasyo/search/syo_syosai.asp?T_PRODUCTNO=2269421
「痛みの発症と慢性化に心理社会的因子が関与する。」
これは腰痛に限ったことではありません。肩や膝などでも同じことです。
「心が痛いと体も痛い」
まさにその通り、心身一如なんですね。
ストレスで胃潰瘍や十二指腸潰瘍になることは皆さんご存知だと思います。
しかし全てではないですが、心理社会的要因が原因で手や足などの運動器に痛みが出ることは以外に知られていません。様々な要因によりココロに問題が生じ、体の生理的な機能が障害を起こす。逆もまた然り。体の痛み→不安や恐怖でストレス→痛み増強が多いのですが。
それが胃に出れば胃炎や胃潰瘍などと言われるし、手や足などの運動器に出れば五十肩や腰痛、坐骨神経痛などと言われます。
体にでる症状は生理的な機能の障害なのです。
昔は画像診断機器も無かったし、軟骨や神経などという概念もありませんでした。しかしかえってその方が重く考えることもないし、苦労なく治っていたのではないでしょうか。痛みが出たら近所のマッサージや指圧、鍼灸などで治癒したことでしょう。運動器に発生する痛みやしびれはその多くが筋肉や関節包、靭帯などの軟部組織由来だからです。
ですから、筋肉が柔らかくなれば多くの痛みは消えます。
もっと単純に考えましょう。複雑に考えることにより治癒が難しくなるケースが多々見られます。人は不安や恐怖が増すと痛みを制御する機能が低下して痛みの強度が増すからです。
骨の変形や神経への圧迫で痛みは発生しにくいのです。強い力で締め付ける(絞扼する)と麻痺になります。これはそうそう見るものでもないです。知覚鈍麻、知覚脱失、神経原性筋萎縮など、見ればすぐに分かるものです。
痛みに対する不安や恐怖が痛みを雪だるま式に増やします。だからそうならないためにも、なかなか治らない方は痛みに対する知識のアップデートや運動が必要になります。