ノーシーボとは、マイナスの暗示のことです。この逆がプラシーボ、プラスの暗示。
否定的な思考によって健康を損なったり、場合によっては命を落としてしまうのがノーシーボ効果。逆にプラシーボは肯定的思考により健康になる効果。医者に行っただけで症状が良くなるのはこの効果。
ドイツのある医者がこんな実験をした。
ある患者に「プラシーボという新薬を開発したので、協力をお願いしたい」と偽って、ただの小麦粉をまるめたモノをあたえた。
ところがそれを飲んだ患者はみるみる内によくなって、治ってしまった。
これは俗にプラシーボ効果といわれる。第二次世界大戦前のことだが、かつてヨーロッパでこういう実験が行なわれた。
ある国にブアメードという名の健康な身体に恵まれた死刑囚がいた。
この死刑囚はある医師から、医学の進歩のために命を捧げてほしいと持ちかけられた。
「人間の全血液量は体重の10%が定説となっているが、我々は10%を上回ると考えているので、ぜひそれを証明したい」というのだ。
彼はその申し出を受け入れ、間もなく実験が開始された。
目隠しをされてベッドに横たわった彼は、血液を抜き取るために足の全指先を小さく切開された。足元には容器が用意され、血液が滴り落ちる音が鳴り響く実験室の中で、1時間毎に累積出血量を聞かされた。
やがて実験開始から5時間が経ち、総出血量が体重の10%を越えたと医師が大喜びした時、この死刑囚は死亡していたという。
ところが、この実験、実は血液を抜き取っていなかったのだ。
彼にはただの水滴の音を聞かせ、体内の血液が失われていると思い込ませただけだったのである。
これを「プラシーボ」に対して「ノーシーボ効果」という。
人間のこころは不思議だ。
治ると信じることで「プラシーボ」が現れるように、治らないと信じることで「ノーシーボ」という現象が生まれる。
「治らない」という思い込みからは何も生まれません。絶対に治すんだと強い気持ちを持ち治療を受ける。出来る限り日常生活動作を維持し、気分転換をする。治療する側はどこに問題があるのか探り、なるべく早く痛みを軽減させる。