腰椎椎間板ヘルニアは怖くない|正しく知って早く改善するために
ポイント

腰椎椎間板ヘルニアは、背骨と背骨の間にある椎間板が後ろに出っ張ってしまい、神経を圧迫して痛みやしびれなどの症状を引き起こすとされてきましたが、
・腰痛未経験の人をMRI撮影しても8割近くにヘルニアが見つかること
・ヘルニアがあっても数ヶ月で白血球のマクロファージに食べられて小さくなること
・画像検査をすると不安を与えてかえって治りが悪くなること
・手術してもしなくても数年後には自然治癒と変わらないこと
などが分かってきて考え方が変わってきています。
各国の診療ガイドラインでは危険信号(レッドフラッグ)の無い腰痛に画像検査は勧めれられないとされています。
痛みは単純では無く、様々な要因が重なって影響しあって続いています。
それらを知り、適切に対処しましょう。

腰椎ヘルニアはあっても心配いりません

腰椎ヘルニアは痛みのない方にも普通に見られる変化です。
触っても分からない知覚麻痺、動かしづらいなどの運動麻痺、尿や便が漏れる、出ないなどの馬尾症候群が無ければ心配いりません。

腰や足に痛みやしびれが起き、病院でMRIを撮影したら椎間板ヘルニアと言われてショックを受ける方は多いようです。
ネットや書籍などで調べればろくな情報が書いてない・・・、そりゃ不安やストレスに悩まされますよね。
もしかしたら椎間板ヘルニアに対してもう治らないとか、ずっと付き合っていかなければならないと考えている方もいるかもしれません。

ポイント

ヘルニアは痛みのない人にも普通にある
麻痺が無ければ心配ない

椎間板ヘルニアは背骨と背骨の間にあるクッションの役割をする「椎間板」が後方に出っ張ってしまい、神経を圧迫することによって痛みやしびれを引き起こすと説明されています。そのため、医療機関によっては手術を勧めたり、手術が嫌なら騙し騙し付き合うしか無いなどと説明されているようです。

しかし、近年(もうだいぶ昔ですが)の研究によって、腰痛がなくても椎間板ヘルニアは普通に見られること、出っ張った椎間板ヘルニアを体内の組織が食べてくれるので小さくなっていくこと、手術しなくても問題なく治ることが多いことが分かってきました。

椎間板ヘルニアは腰痛を経験したことが無くてもMRI撮影で80%近くに写る

1995年に医学界のノーベル賞にあたるボルボ賞を受賞した有名な研究論文では、腰痛を一度も経験したことが無い方46名をMRI撮影したところ、そのうちの76%に腰椎椎間板ヘルニアを認め、85%が椎間板が潰れていたそうです。繰り返しますが、腰痛を一度も経験したことが無い方をMRI撮影しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/8747239

ポイント

腰椎椎間板ヘルニアは腰痛未経験でも8割近くに写る自然な変化

椎間板ヘルニアは自然に消える

椎間板ヘルニアは大体2~3ヶ月で自然に小さくなることが少なくありません。
飛び出した椎間板ヘルニアが小さくなって消えてしまうのです。

これは白血球のマクロファージという細胞の働きによるものです。
マクロファージは体内の壊れた組織や、体内に侵入した細菌などの異物を捕らえて掃除してくれる、体内の掃除屋さんです。
このマクロファージが飛び出してしまった椎間板を食べてくれるというわけです。

腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン 改訂第2版
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0017/G0000309/0015

ポイント

椎間板ヘルニアは数ヶ月するとマクロファージに食べられて小さくなる

レントゲン撮影すると治りが悪くなる

腰や足が痛くて医療機関(整形外科)行くとかなりの確率でレントゲンを撮ると思いますが、レントゲン(X線検査)やMRIの画像検査機器で痛みの原因が分かるのではないかと多くの方は考えていると思います。
ところが、実際には画像上起こっている変形や神経に対する圧迫は痛みのない健常者にも普通に映し出されるため、画像上の変化が痛みに必ずしも結びつかないのです。

2001年に掲載された論文によると、腰痛患者へのレントゲン写真は臨床結果の改善やケアへの満足度とは関係がないことを検証する研究が行われています。

調査の結果、3ヶ月が経過した時点でレントゲン撮影をしたグループの腰痛改善率が低いことがわかりました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=Kendrick%20D%202001%20400-5

レントゲンやMRIなどの画像検査は自分の腰痛の原因を突き止めてくれるのではないかという思いから期待してしまいますが、撮ると治りが悪くなりますし、骨の変形や椎間板の変性、ヘルニアは健常者にも普通に見られることから、危険信号(レッドフラッグ)の無い腰痛には画像検査は勧めれられないという流れになっているのですが、遅れている日本の痛み医療では必ずといっていいほど画像検査がされます。

MRIは別として、レントゲンやCTには放射線被曝の問題もありますし、意味が無いことが分かっているのですから、よく考えたほうがいいのかもしれませんね。

ポイント

危険信号の無い腰痛に画像検査すると治りが悪くなる

神経管は電気コードのようなもの

痛みというのは末端にある痛みセンサーが興奮して電気信号を生成、それが神経管を通って脳に向かいます。脳で認知されることにより初めて痛いと感じることができます。
これは痛みのセンサーを「スイッチ」に、そのON/OFFを伝える神経を「電気コード」に、脳が痛みを感じることを「電球の点灯」に例えると分かりやすいかと思います。

この場合、スイッチをONにすると、その電気信号はコードを通って電球を点灯させますが、コードそのものを圧迫しても電球は点灯しません。

神経の管についてもこれと同じことで、圧迫によって痛みを起こす(電気信号を起こす)ことは生理学的に考えにくいことなのです。

ポイント

神経管は電気コードのようなもの、圧迫して痛みが出る説明はおかしい

医療者の言葉が呪いとなって病人を作っている

ここではプラシーボ効果の真逆と言えるノーシーボ効果について説明しましょう。
ノーシーボ効果というのは、「これは体に悪そうだ」と思うことで実際に何らかの症状を起こす現象を指すもので、ある種の「呪い」と考えてもいいでしょう。

ほんまかいな?と思うかもしれませんが、ドイツでこんな実験が行われました。
ドイツのマインツ大学の研究によると、147人の被験者に「電磁波の健康被害」に関するテレビ番組を見せたあと、無線インターネットの装置(Wi-Fi)を作動させたところ、54%の人が番組で紹介されたような電磁波の健康被害の症状を示しました。
ところがどっこい、この装置は偽の装置、つまりダミーであり、実際には電磁波は出していなかったのです。
つまり、被験者の54%は「電磁波は悪そうだ」という思い込みによって自ら症状を作り出したのです。
また、アメリカのコロンビア大学での実験では、催眠状態にした被験者に「これから額にアイロンで触れる」と宣言してから鉛筆の先で額に触れると、被験者が熱いという叫び声とともに、額に水ぶくれができるという現象が確認されました。
この実験はその後4回繰り返されましたが、いずれも同じ結果になっています。

これらは人の思い込みがいかに体に影響するかを表したもので、一種の「呪い」と表現することもできますが、これを日常にしてしまいっている場面があるのです。

そう、今日の医療現場です。

ポイント

人の体は思い込みによって症状を作り出すことがある

人は不安な状態にあるとき言われたことは強く影響する

痛みなど、体に異常がある時は誰でも不安になりますよね。
そんな時に権威ある人から言われた言葉は心の奥まで届いてしまい、なかなか頭から離れなくなってしまうのです。

ですから、
・椎間板ヘルニアが神経を圧迫して痛みが出る
・腰の骨が変形しているから痛む
これらは否定されているわけですから厳に慎むべきなのですが、残念ながら多くの医療機関でこれらの説明が行われています。
ですが、最近医療関係者がする説明も新しい考え方に変わってきています。

ポイント

不安や恐怖が強い時に権威者から言われた言葉は強く影響してしまう

麻痺が無ければ安心して心と体を柔らかくすること

先に書いたように極々まれではありますが、腰椎椎間板ヘルニアによる馬尾症候群(便が漏れる・出ない等)、進行性の麻痺(触っても分からない、動かせない等)は手術が必要ですが、それ以外であれば手術は必要ありません。
これらを知り、まずは安心してください。
痛みの治療の大きな障害になるのが痛みに対する恐怖や不安です。
これは痛みを知らないことが原因ですが、ざっくりとで良いですから知ってしまえば良いのです。
ですから読書療法といって、痛みの知識を得ることが勧められています。

  1. 日本の痛み医療は海外に比べて20年以上遅れていること
  2. 神経を圧迫して起こるのは麻痺であり、痛みではないこと
  3. MRIを撮影すると痛みが無くても多くの人にヘルニアが見つかること
  4. 手術してもしなくても数年後には自然治癒と差が無いこと
  5. 不安や恐怖が慢性痛化させること

最低限これらを知っていれば、ネットやテレビを見ても有益な情報なのか、そうでないのかがわかりますから、よく考えて情報は受け取ってください。

心が力むと体が力む

逆もまた真なりで、体が力むと心も力みます。そして、心の力が抜けると体の力も抜けるんです。
ですから痛みの特効薬は「正しい情報」だと言われているのです。それは体の痛みの多くは筋肉の過緊張であるため、現時点での正確な情報に触れると安心して心の力が抜け、筋肉が柔らかくなり改善しやすくなるためです。
時代遅れの古い情報に恐怖することはありません。
痛みの多くが改善可能なのです。

心の力を自ら抜くのはなかなか難しいですが、体の力を抜くのはコツを覚えてしまえばそんなに難しいものではありません。
先日書いた「雑誌Tarzanに自律訓練法とジェイコブソンの漸進的筋弛緩法掲載」にジェイコブソンの漸進的筋弛緩法を掲載していますから、参考にしてみてくださいね。

痛みについては先日の記事「ぎっくり腰は怖い病気ではない 早く治すための対処法」もご覧ください。
ぎっくり腰だけでなく、全ての痛みにいえることです。

ポイント

麻痺が無ければ安心して心と体の力を抜く

痛みに対する対処をして改善しても数日で戻る場合は

運動やストレッチ、痛みの学習や医療機関での治療を適切に受けても改善はするもののすぐに元の状態に戻ってしまう場合がありますが、その場合は他に異常が無いか調べる必要があります。

  1. 心理社会的要因
  2. 貧血
  3. 栄養不足
  4. 関節リウマチなどの膠原病
  5. 電解質異常
  6. 甲状腺機能異常
  7. パーキンソン病や脳卒中の後遺症などの神経疾患
  8. うつ状態、うつ病などの心理的要因
  9. 発達障害
  10. 薬の副作用
  11. その他

などの要因が無いか調べる必要がありますから、改善してもすぐに痛みだしてしまう方は、医療機関で検査を受けましょう。

当院では腰や足の痛みの改善方法を提案できます。 
施術については下記「施術について詳しくはこちら」ボタンを押してページを進めてください^^

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