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脊柱管狭窄症と診断された痛みでも変化することがあります
70歳代の男性Aさんは、20年来腰に痛みを抱えていました。
そして昨年の1月、急に痛みが強くなり、両足にも痛みやしびれが出るようになってしまったそうです。
複数の整形外科でMRI検査を受けた結果、変形性脊椎症・脊柱管狭窄症と診断されました。
このように画像で診断名がつくと、「もう良くならないのでは」と感じてしまう方も少なくありません。
ですが、少し意外かもしれませんが、画像の所見と痛みが一致しないケースは臨床ではよく見られます。
痛みの本当の原因はどこにあるのか
初回の来院時、Aさんは痛みの影響もあって体が左側へ傾いている状態でした。
ただし、神経の麻痺などの明らかな異常(神経脱落症状)は見られませんでした。
すでに危険な疾患は除外されていたことから、
筋膜性疼痛症候群(MPS)の可能性も考え、腰から両足先にかけて施術を開始しました。
痛みに関連しそうな既往歴も特にありませんでした。
施術の経過と身体の反応
初回の施術から身体は反応し、痛みは軽減。
ただし、その後は痛みが出たり引っ込んだりを繰り返しました。
4回目の施術時に状態を確認すると、
「最初の痛みは7割ほど消えた」とのことでした。
ここで一度、考えてみてください。
もし本当に神経の圧迫だけが原因であれば、このような変化の仕方になるでしょうか。
筋肉が痛みの主な要因だった可能性
現在は「いつ症状が消えてもおかしくない状態」と考えられ、
経過を見ながら施術を続けています。
Aさんは、脊柱管狭窄症・変形性脊椎症と診断されていましたが、
トリガーポイントや筋膜リリースによる施術が有効だったことから、
痛みの本態は骨や神経ではなく、筋肉(筋膜)だった可能性が考えられます。
「診断名=痛みの原因」とは限らない
脊柱管狭窄症、変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など、
こうした診断名がついていても、
実際には
症状の本体は筋肉にあった
というケースは、臨床では決して珍しくありません。
実際、筋筋膜性疼痛に関する研究でも、
慢性的な腰痛の一部は筋・筋膜由来である可能性が示唆されています(Simonsらのトリガーポイント研究など)。
ただし、これらは主に臨床観察に基づく知見も多く、
すべてのケースに当てはまるわけではない点には注意が必要です。
それでも、実務的には
「構造だけでなく、筋肉の状態も評価する」
という視点が重要になる場面は少なくありません。
改善の可能性は残されています
「いろいろ治療を受けたけれど変わらない」
そう感じている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、痛みの原因の見方が少し変わるだけで、
身体の反応が変わることはよくあります。
大丈夫です。
こうしたケースは決して特別ではありません。
ひとつの選択肢として
もし現在、
・診断はついているが改善しない
・痛みの波がある
・原因がはっきりしない
このような状態であれば、
筋肉(筋膜)という視点から見直してみるのも一つの方法かもしれません。
無理に変える必要はありませんが、
選択肢として知っておくだけでも、少し安心につながることがあります。
当院へのご相談について
もし、「自分の痛みも同じようなものかもしれない」と感じられた場合は、
一度、状態を整理する意味でもご相談いただくのも一つの方法です。
当院では、画像や診断名だけにとらわれず、
筋肉・神経・身体の反応を含めて丁寧に評価していきます。
無理に通院を勧めることはありませんので、
「まずは話を聞いてみたい」という段階でも大丈夫です。
今の状態に対して、どんな可能性があるのか。
それを一緒に整理していくところから始めていきます。






