
さいたま市よりお越しのAさん。
5か月前から左のお尻から足にかけての痛みとしびれが続いていました。
MRIでは「変形性腰椎症」「坐骨神経痛」と説明を受けたそうです。
来院時、身体は痛みをかばうようにやや側屈。腰部には軽い浮腫。
しかし、明らかな神経脱落症状はありません。
確認すると、殿部から下肢にかけて複数の圧痛点が確認できました。
2回目の施術時には「だいぶ楽になってきた」とのこと。
ここで一つの疑問が生まれます。
■ 変形があるのに痛くない人がいる理由
1957年のFullenloveらの報告では、
腰痛患者200名と健常者200名のレントゲンを比較したところ、
- 腰痛患者:20%に脊椎変形
- 健常者:34%に脊椎変形
が認められたとされています。
つまり、変形=痛み ではないということです。
画像所見と症状は、必ずしも一致しません。
■ 痛みの正体は何か
多くの場合、問題の中心は
筋膜性疼痛症候群(MPS) にあります。
筋肉が持続的に緊張し、
血流が低下し、
局所が“酸欠状態”になる。
すると痛みのセンサーが過敏になり、
しびれや放散痛のような症状が出ることがあります。
■ なぜ筋肉は酸欠を起こすのか
ここが本質です。
- 糖質過多
- 過重労働
- 睡眠不足
- 人間関係のストレス
- 情報過多
これらはすべて交感神経を過剰に刺激します。
緊張状態が続けば、末梢血管は収縮し、
手足が冷えるように筋肉も血流低下を起こします。
その結果が、慢性的な筋緊張と痛みです。
■ 痛みは“生活習慣のサイン”
高血圧や糖尿病が生活習慣病であるように、
慢性的な痛みもまた、生活習慣の影響を強く受けます。
もちろん施術で症状を軽減することは可能です。
しかし、痛みを生み出した背景が変わらなければ、
再発のリスクは残ります。
- 睡眠を整える
- 栄養バランスを見直す
- 過度なストレスを減らす
- 適度に身体を動かす
- 安心できる時間をつくる
これらは“特別な治療”ではありませんが、
非常に強力な介入です。
■ 痛みを敵にしない
痛みは単なる異常ではなく、
「今のままで大丈夫ですか?」という身体からのメッセージです。
薬や施術だけに頼るのではなく、
日々の在り方を少し整える。
それが結果的に、
最も根本的な鎮痛戦略になることも少なくありません。
痛みを生活習慣という視点から見直す。
そこに、回復へのヒントがあります。


