なぜ痛みは「記憶される」のか?|筋膜と慢性痛の新しい考え方

「もう原因は治っているはずなのに、なぜか痛みが続く」

このような状態で悩んでいる方は少なくありません。

レントゲンやMRIでは大きな異常が見つからない。
それでも痛みが続いている。

こうしたケースに対して、近年少しずつ新しい視点が提案されています。

それが
「体は過去の影響を残すことがある」という考え方です。


筋膜は“ただの膜”ではない

筋膜とは、筋肉や内臓を包んでいる膜状の組織です。

以前は単なる「包むもの」と考えられていましたが、現在では

・力を伝える
・感覚を伝える
・自律神経と関わる

といった、重要な役割を持つことが分かってきています。

つまり筋膜は、体の状態を大きく左右する“動的な組織”です。


体に起きている「変化」

日常生活の中で、

・同じ姿勢の繰り返し
・体の使い方のクセ
・ストレスや緊張

といった影響は、少しずつ体に蓄積していきます。

筋膜はこうした影響を受けることで、

・滑らかに動きにくくなる
・特定の部分に負担が集中する
・緊張しやすい状態になる

といった変化を起こします。


なぜ痛みが長引くのか

筋膜には多くの感覚センサーが存在しています。

そのため、状態が変化すると

👉 わずかな刺激でも「痛み」として感じやすくなる

ことがあります。

つまり、

👉 痛みの原因が残っているというよりも
  体の反応の仕方が変わっている

可能性があるのです。


体と神経のループ

さらに重要なのは、体と神経の関係です。

体に負担がかかる

筋膜が緊張する

神経が敏感になる

さらに緊張が強くなる

このような流れが続くことで、

👉 痛みが自然に続いてしまう状態がつくられます。


「体は記憶する」という考え方

最近では、こうした状態を

👉 「体の記憶」

として捉える考え方も出てきています。

近年、筋膜が過去のストレスや負担の影響を保持し、それが慢性痛の持続に関与する可能性を示唆する仮説も提案されています(International Journal of Molecular Sciences, 2026)。

この考え方では、

・過去の負担
・体の使い方のクセ
・緊張のパターン

といったものが体に残り、

👉 痛みが続く土台になっている

と捉えます。


だから「リセット」が必要になる

この状態を変えていくために重要なのは、

単に強く揉んだり、その場だけ楽にすることではありません。

・体の動き方を整える
・緊張のパターンを変える
・安心できる状態をつくる

こうしたアプローチによって、

👉 体の反応を少しずつ書き換えていくこと

が大切になります。


まとめ

痛みが続く理由は、必ずしも「壊れているから」ではありません。

体はこれまでの経験をもとに、無意識に反応しています。

そしてその反応は、条件が整えば変えていくことができます。


最後に

「いろいろ試しているのに良くならない」
「原因は分かっているのに改善しない」

そのような場合は、

これまでとは少し違った視点で体を見直してみることも大切です。

当院では、こうした考え方をもとに体の状態を確認しながら施術を行っています。
ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。


参考文献

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