世の中には脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなど神経を圧迫されて起きると言われている痛みがあります。
ですが、本当に神経を圧迫すると痛みが発生するのでしょうか?実際に痛みを発生させるのは筋肉、関節包や関節靭帯にある侵害受容器(痛みセンサー)が興奮して痛みを発生させているのではないか?と言われ始めています。
それは生理学では神経を圧迫すると痛みが発生すると証明されていない事があるようです。実際、熊澤孝朗先生や横田敏勝先生は著書の中で健康な神経は圧迫しても引っ張っても痛みは発生しないと述べています。
現に手術して神経への圧迫を取り除いても良くならない方はたくさんいます。先のブログにも書きましたが、足の裏の神経は体重がかかりますが、痛みは発生しません。これは足の裏だけではなく、全身にいえています。神経がそんなに圧迫に弱い器官であれば、世の中痛みや麻痺の方だらけになってしまいますね。もちろん実際はそうではありません。
健常者との比較対照試験や手術をしても1年後の治療成績に保存療法と有意差がないなどの事実や、経過などを見ていると痛みは神経への圧迫では説明がつかないのです。
これらの事を考えると、まだまだ筋筋膜性疼痛症候群(MPS)や軟部組織のセンサーの障害から発生する痛みがほとんど知られていない為に多くの場合、他の病気と間違われている可能性があります。
多くの場合、外力や交感神経の緊張状態が続くことにより皮膚や筋肉などの受容器(センサー)が誤作動を起こし、筋肉を緊張させて痛みセンサーを興奮させることにより痛みは発生します。
痛みの入力が長期間続くと痛みの回路がおかしくなり、痛みの悪循環にはまりこんでなかなか治りにくい慢性痛症になっていきます。
ですから、「なるべく早めに痛みを取る」ことが重要なのです。