
目次
― 外せなくなってしまう理由を、身体と心の視点から ―
痛みや不安があるとき、
サポーターやコルセットは心強い存在になります。
実際、炎症や痛みが強い時期には、
負担を軽減し、動作への不安を和らげる有効な補助具です。
一方で、臨床の現場では
「外したい気持ちはあるけれど、外すのが怖い」
という状態になっている方も少なくありません。
この記事では、
サポーターやコルセットが「外せなくなってしまう理由」と、
身体に負担をかけにくい付き合い方についてお伝えします。
サポーターやコルセットは悪いものではありません
まず大切なこととして、
サポーターやコルセットを使ってきたこと自体が
間違いというわけではありません。
本来これらは、
- 痛みや炎症が強い時期の保護
- 動作への恐怖を軽減するための補助
- 回復までの一時的なサポート
といった目的で用いられます。
このように、
「期間」と「目的」がはっきりしている場合には、とても有効です。
なぜ外すのが怖くなってしまうのか
問題が生じやすいのは、
サポーターやコルセットが
「身体を支える道具」から
「安心を得るための拠り所」
へと役割を変えてしまったときです。
- 外して動くと不安になる
- 無いと悪化しそうな気がする
- 着けていないと落ち着かない
この状態では、
実際の身体の状態以上に
「また痛くなるかもしれない」という予測不安が影響しています。
これは性格や意志の問題ではなく、
痛みや恐怖と結びついた経験を、脳が「安全の手がかり」として学習した結果です。
長期間の使用で起こりやすい変化
長く使い続けることで起こりやすいのは、
単なる筋力低下だけではありません。
実際には、
- 自分の身体の調子を判断しづらくなる
- 少しの違和感でも不安が強くなる
- 外すタイミングが分からなくなる
といった変化が見られることがあります。
その結果、
外すこと自体が大きなストレスになってしまうケースもあります。
外すことは「我慢」ではありません
サポーターやコルセットとの付き合い方で大切なのは、
「いきなり完全に外すこと」ではありません。
無理に外したり、
我慢を重ねたりする必要はありません。
大切なのは、
安心を少しずつ身体側に戻していくことです。
例えば、
- 家の中では外して過ごしてみる
- 調子の良い時間帯だけ外してみる
- 「外しても問題なかった」という経験を積み重ねる
こうした小さなステップが、
身体への信頼感を取り戻す助けになります。
不安が強い方・慢性痛がある方へ
慢性痛を抱えている方や、不安が強い傾向のある方では、
- サポーター=安全
- 外す=危険
という結びつきが起こりやすいことが知られています。
これは「気にしすぎ」ではなく、
身体を守ろうとする自然な反応です。
だからこそ、
焦らず、段階的に関わっていくことが重要になります。
まとめ
サポーターやコルセットは、
必要な時期には身体を助けてくれる存在です。
一方で、
安心のすべてを預けてしまうと、
かえって不安が強くなってしまうこともあります。
大切なのは、
- 道具に頼りすぎていないか
- 自分の身体の感覚を感じ取れているか
という視点です。
回復とは、
「何を着けているか」よりも
「自分の身体と、どれだけ対話できているか」によって進んでいきます。
必要なときは使い、
必要がなくなれば少しずつ手放す。
その柔軟な姿勢が、
身体と心の負担を減らしてくれます。
※ このような不安や痛みの背景には、身体だけでなく心理的な要因が関わっている場合もあります。状態に応じて、専門家に相談することも一つの選択です。



