噛み締め・握りしめと慢性痛

無意識の緊張が痛みを長引かせる理由

慢性痛がなかなか改善しない方の中には、
噛み締め(食いしばり)や握りしめといった
無意識の筋緊張を伴っているケースが少なくありません。

検査では大きな異常が見つからない。
治療直後は楽になるが、しばらくすると元に戻る。
そのような状態が続いている場合、
痛みの背景に「無意識の緊張」が関与している可能性があります。

本ページでは、
噛み締め・握りしめと慢性痛の関係、
その原因や対処法について、わかりやすく解説します。


噛み締め・握りしめとは何か

噛み締め(食いしばり)とは

噛み締めとは、
上下の歯を無意識に強く接触させてしまう状態を指します。

歯ぎしりのような音が出ないため、
本人が気づかないまま続いていることも多く、
日中・就寝中のどちらでも起こります。

握りしめとは

握りしめとは、
手や指に必要以上の力が入っている状態です。

作業中や集中時だけでなく、
何もしていない時にも
無意識にこぶしを握っている方が見られます。

なぜ同時に起こりやすいのか

噛み締めと握りしめは、
別々の問題のように見えますが、
身体の中では同じ反応として起こることが多いです。

「力を入れる」「身を守る」という反応は、
一部の筋肉だけでなく、
全身で連動して現れやすいのです。


慢性痛の方に噛み締め・握りしめが多い理由

慢性痛は、
単なる組織の損傷だけで説明できないケースが多くあります。

  • 痛みが長期間続いている
  • 痛む部位が変わる
  • 天候や疲労で波がある

このような特徴がある場合、
無意識の緊張状態が続いている可能性があります。

筋肉が常に緊張していると、
血流や感覚調整がうまくいかず、
痛みが「治りにくい状態」で固定されやすくなります。


噛み締め・握りしめの主な原因

無意識のストレス

自覚のあるストレスだけでなく、
本人が「大丈夫」と感じている状況でも、
無意識が負担と判断していることがあります。

低血糖と夜間の歯ぎしり

夜間の低血糖は、
歯ぎしりや噛み締めを強める要因の一つです。
特に夕食量が多い方や、
糖質の摂取量が多い方に見られることがあります。

カフェイン・アルコールの影響

カフェインやアルコールは、
自律神経に影響を与え、
無意識の緊張を助長する場合があります。

パソコン・スマホの長時間使用

長時間の画面作業は、
顎・首・手指に持続的な緊張を生みやすく、
噛み締め・握りしめの誘因になります。

緊張とリラックスのバランス不良

一日の中で、
緊張する時間が多く、
力を抜く時間が少ない状態が続くと、
身体は緊張を解除するタイミングを失います。


噛み締め・握りしめが続くと起こる症状

噛み締めや握りしめが慢性化すると、
次のような症状が現れやすくなります。

顎・歯への影響

  • 顎関節の違和感や痛み
  • 歯の欠け・割れ
  • 歯周病の悪化
  • 非歯原性歯痛

手・腕への影響

  • 指や前腕の痛み
  • 筋肉痛のようなだるさ
  • 腱鞘炎につながることもあります

これらは、
「使いすぎ」ではなく
力が抜けない状態が続いた結果として
起こるケースが少なくありません。


噛み締め・握りしめへの対処法

睡眠を整える

睡眠不足は、
無意識の緊張を高める大きな要因です。
まずは睡眠の質と量を見直すことが重要です。

生活リズムの見直し

緊張する時間と、
意識的に休む時間のバランスを確認します。

食事・嗜好品の調整

  • 夜間低血糖を避ける
  • カフェインやアルコールを控えめにする

小さな調整でも、
身体の反応が変わることがあります。

リラクゼーション

  • マッサージ
  • 漸進的筋弛緩法
  • 自律訓練法
  • フォーカスリラクゼーション

これらは、
身体に「力を抜く経験」を思い出させる手段です。


なぜ原因がわからないことが多いのか

噛み締めや握りしめは、
意識的に選んで行っている行動ではありません。

意識では問題ないと感じていても、
無意識が「安全ではない」と判断していると、
身体は緊張を続けます。

このズレがあるため、
原因が分からず、
対処が難しく感じられるのです。


当院での考え方とサポート

当院では、
噛み締め・握りしめを
「悪い癖」「直すべきもの」とは捉えていません。

それは、
身体があなたを守ろうとした結果として
起きている反応です。

慢性痛を局所だけで見るのではなく、
無意識の緊張や生活背景を含め、
全体として捉えることを大切にしています。

噛み締めや握りしめの背景には、意識では気づきにくい緊張が関係していることがあります。
なぜ緊張しているのか分からない場合、無意識にアプローチする方法が役立つこともあります。
自分との対話法について


まとめ

噛み締め・握りしめは、
慢性痛を長引かせる要因の一つです。

しかし、それは
意志や性格の問題ではありません。

気づき、理解し、
適切に向き合うことで、
身体の反応は少しずつ変わっていきます。

慢性痛が改善しにくいと感じている方は、
噛み締め・握りしめという視点も
一度確認してみてください。

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