
症候性腰部脊柱管狭窄症の患者を対象に、
- 外科的減圧術群
- 6週間の理学療法群
に無作為に割り付け、2年後の身体機能を比較した臨床試験があります。
この研究は、Annals of Internal Medicine(2015年4月7日号)に掲載され、
Anthony Delitto 氏ら(米・ピッツバーグ大学)が報告しました。
結果は――
2年後の身体機能に有意差なし。
両群とも同程度に回復し、男女差も認められませんでした。
■ 何を意味しているのか
これは「手術が無意味」という話ではありません。
ただし、
- すぐに手術しかないと考える前に
- 保存療法の可能性を検討する余地がある
ということを示唆しています。
■ 病名と症状は必ずしも一致しない
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア。
確かに画像で確認されることはあります。
しかし、
- 無症状の方にも画像上の変形は普通に見られる
- 手術群と保存群で長期差が出ないデータがある
となれば、
「病名=痛みの原因」と短絡的に結びつけるのは慎重であるべきでしょう。
■ 実は筋膜性疼痛症候群(MPS)だった、というケース
臨床の現場では、
「脊柱管狭窄症と言われたが、実際は筋膜性疼痛症候群(MPS)だった」
というケースも少なくありません。
筋肉の過緊張や血流低下が、
狭窄症様の症状を作ることもあります。
■ もちろん例外はある
麻痺や進行性の神経脱落症状がある場合は別です。
そこは慎重に判断しなければなりません。
しかし、そうでない場合、
- 手術
- 保存療法
- 生活習慣の見直し
- 筋機能の改善
など、選択肢は一つではありません。
■ 大切なのは「病名」より「機能」
病名に縛られすぎず、
- 今どの機能が落ちているのか
- 何が回復可能なのか
- どうすれば安全に改善できるか
を見極めること。
データを知ることは、不安を減らす力になります。
脊柱管狭窄症で悩んでいる方こそ、
様々な情報を集め、冷静に考えてみてください。
身体は、思っている以上に回復する力を持っています。



