椎間板ヘルニア=痛みではないの続き

前回の続きです(*^^*)

DLPFC(背外側前頭前野)の働きを衰えさせてしまう原因の一つが痛みに対する過剰な恐怖や不安です。

DLPFCは脳の中で痛みの回路、ネットワークを鎮める役割がありますが、このDLPFCは恐怖、悲しみ、不安などの感情をコントロールする役割もあります。

強い不安や恐怖心が生まれると、DLPFCに強いストレスがかかり、この状態が長く続くとDLPFCはヘトヘトに疲れてしまって本来の働きができなくなってしまいます。

そうすると痛みを鎮める命令が出にくくなり、痛みの回路の興奮が続きやすくなってしまうのですね。

ではどのように痛みへの恐怖や不安へ対処すれば良いのでしょうか。

まず、痛みに対する過剰な恐怖や不安の一つに痛みを知らない、ということが挙げられます。

例えば、急性腰痛として有名なぎっくり腰。
一昔前まではぎっくり腰になったら冷やして安静と言われていましたね。

しかし現在ではこれは否定されていて、安静を維持すると慢性腰痛に移行しやすくなることから、日常生活動作を維持するように勧められています。

ヨーロッパの腰痛診療ガイドラインでは「余程の激痛でない限り2日以上の安静は指示するべきではない。」
日本の腰痛診療ガイドラインでも「腰痛に対して痛みに応じた活動性の維持は、ベット上の安静よりも疼痛(痛み)を軽減し機能を回復させるのに有効である。」と書かれています。

考え方が変わってきているのですね。
しかしながらお話を聞いているとまだまだこれらのことは全くと言っていいほど浸透はしていなく、痛くなったら冷やせばいいと、安静冷却してしまう方が多いのが現状です。

  • 腰痛未経験者の腰をMRI撮影したら腰椎椎間板ヘルニアが76%にみられた
  • ヘルニアや脊柱管狭窄症の手術と保存療法を実施しても数年後治療成績は同じ
  • 生理学では神経管を圧迫しても痛みは生じないと書いてある
  • 脊椎すべり症、椎間板狭小化、変形性脊椎症などは腰痛患者、健常者を分けて画像を比較しても同程度に存在する

・・・ご存知でしたでしょうか?

これらのことをお伝えするとやはりまだまだ知らない方が多く、驚かれる方が多いですね。

始めからこれらのことを知っていればたとえ病名をつけられても過剰な恐怖や不安に陥ることは少ないのではないでしょうか?

痛みに対する過剰な恐怖や不安にとらわれると過度に腰を大事にしようとしていまいます。
これらの意識や行動は恐怖回避思考と言われますが、これは腰痛を回復しにくくするばかりか、再発率を高めてしまう結果につながります。

画像はネットよりお借りしました
画像はネットよりお借りしました

ですから痛みに立ち向かうためには、

  1. 痛みのもとになっている認知(恐怖や不安)を変える=痛みを知る
  2. 無理のない範囲で動かす

といったことがとても重要になるのですね(*^^*)

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