外反母趾は読んで字の如く、足の親指の関節が外側に反って変形してしまい(外反)痛みや可動域障害を呈する疾患です。(小指が内側に反るのは内反小趾(ないはんしょうし)と言います。)
女性がかかることが多いですが、男性もなることがあります。
きつい靴やヒールを履くこと、扁平足やハイアーチ、内反足や外反足などのアライメント異常や関節軟骨の摩耗や骨の変形によって痛みが発生すると考えられていますが、
軟骨の摩耗や骨の変形で痛みは発生しません。
外反母趾の痛みの原因は関節や軟部組織の状態を監視する受容器(センサー)が異常を起こし、結果として外反母趾の痛みや可動域障害が発生します。
可動域障害については改善するものと、全くしないものがありますが、痛みに関して言えばほとんどの外反母趾の痛みは軽減・もしくは無くなる事が多いです。
治療は機能障害を起こしている関節や軟部組織のセンサーを正常に戻すと外反母趾の痛みは改善、治癒していくケースが多いです。
痛みのある場所に原因があるとは限りません。
骨折や打撲でその場所を実際に損傷しているならば別ですが、
体に発生する痛みやしびれの多くは筋肉にある痛みセンサーが興奮することにより発生します。
筋肉同士には連絡網みたいなものがあり、足の親指が痛くても膝の内側に圧痛点があったり、おしりの外側に圧痛点があったりします。
ですから、外反母趾が痛いからといって足の指だけを治療をするのでは全く意味がありませんし、可動域訓練と称して痛みを伴う可動域訓練をすると、余計に痛みが強くなったり可動域障害が強くなる可能性があります。
外反母趾の原因は関節や軟部組織の受容器が障害を起こした侵害受容性疼痛です。
ですから治療は足だけではなく、腰やその他、障害されている場所に目を向ける必要があります。