目次
自己催眠法とは
自己催眠法とは、自分自身で催眠状態になる方法です。
自己催眠法は通常の意識状態ではできない潜在意識と上手にコミュニケーションをとることによって自分を変えていくことができる技術です。
・人生を思い通りに生きている人=潜在意識の法則に従って生きている人
・人生を思い通りに生きていない人=潜在意識の法則に逆らって生きている人
と言えます。
催眠は心を安定させるための心理技術であり、決して魔法や奇術の類ではありません。
自己催眠法は自分自身を安静状態に導き、リラックスして生きるためのアイテムです。
自己催眠を使いこなすうえで知っておきたいこと
自己催眠法を行ううえで一つ知っておいた方がいいことがあります。
それは、自己催眠法と他者からかけられる他者催眠とは別物であるということ。
自己催眠と他者催眠との根本的な違いは、「なにかを考えている状態」と「なにも考えていない状態」です。
他人からかけられる他者催眠は、被検者の意識は術者の意図に向けられていますが、自己催眠は自分の暗示に意識を集中させているんです。
これを一点集中の法則といいます。
ただし、自己催眠と他者催眠を明確に分けるのは難しく、純粋な自己催眠から他者催眠寄りの自己催眠まで様々です。
他者催眠を利用した自己催眠法の習得方法
自己催眠法習得の方法ですが、自分自身で習得していく方法と、他者催眠を利用した方法とがあります。
自分自身を催眠状態にするのは大変難しく、自己催眠法で有名なドイツのシュルツ博士が考案した自律訓練法は普通の方で習得まで半年、それ以上になる人が多く、途中で挫折してやめてしまう方が多いようです。
ここでは他者催眠を利用した自己催眠法の習得方法について書いていきます。
多くの方は催眠状態というのを経験したことがないと思いますが、自己催眠法を習得するにはまずこの「催眠状態」を経験するのが一番の近道なのです。
つまり、自己催眠法を習得する一番の近道は、他者に催眠をかけてもらい、催眠状態を経験、学習することです。
他者催眠を利用した自己催眠習得、具体的な方法
他者催眠を利用した自己催眠法習得の一つですが、一度他者に催眠状態に導いてもらい、ある特定の動作などで催眠状態に入れるようにしてもらうことです。
1、観念運動をもちいた自己催眠導入
2、後催眠暗示をもちいた自己催眠導入
1、観念運動とは自分のイメージした運動がそのまま体の動きになって現れる運動ですが、それを合図にして催眠状態になるきっかけにします。
例
振り子の運動
指の運動
体の動揺
腕の運動
2、後催眠暗示をもちいた方法では、他者催眠中に例えば「あなたの名前を反対にいうといつでも今の催眠状態に戻ることができます」などと暗示を入れておき、自己催眠になれるように補助します。
ただし、後催眠暗示を利用した方法では時間の経過とともに効力は失われ、効かなくなっていきます。
催眠は学習です。
何度も何度も催眠状態になることで、そのうち目を閉じるだけで催眠状態に入れるようになっていきます。
習得の速度ですが、無意識の学習能力が高い人は他者催眠を経験した後、家に帰ってから術者の声を思い出すだけで自己催眠状態になれます。
これは他者催眠寄りの自己催眠ですね。
この無意識の学習能力が高いか低いかは頭が良いとか勉強ができるとは関係なく、やってみないとわかりません。
先ほど書きましたが、催眠は学習です。
何度も催眠状態になることを繰り返すことによって、自己催眠状態になることが容易になっていきます。
自己催眠は意識と無意識の方向性を同じにする
自己催眠は意識と無意識が同じ方向を向いている状態をつくるためのもので、一方的に潜在意識に言うことを聞かせるためのものではありません。
自己催眠状態になっていると、悩む事に対して葛藤が起こらなくなってきます。
悩みごとができたら悩むのが当たり前で、
悩んではいけない→悩んでもいいんだ
に考え方が変化していきます。
自己催眠法の効果と限界
自己催眠法の効果としては
・心身の安静効果
・自己統制ができる
・心身の安静効果
催眠状態とは、一つのことに集中した状態です。
このとき、体と脳からはいらない力は抜けて脱力していますから、過度の緊張がきたすいろいろな不都合、不具合を解決する効果が期待できます。
自己催眠という心身の弛緩を作る技術を体得する事で、様々な効果があるでしょう。
・自己統制ができる
自己催眠の練習を続け、暗示されやすさをあげる事により、普通よりも暗示に反応しやすい状態を作り上げることが可能になります。
それによって、自分自身を管理する力が育っていくのです。
期待できる効果を箇条書きにすると以下のようになります
1、心身のリラックス
2、運動選手の心身的制御、パフォーマンスUP
3、受験生や仕事などでの集中力アップ
4、記憶力の向上
5、潜在意識に眠っているアイデアが浮かんでくるようになる
自己催眠は潜在意識に眠っている力を引き出す方法
自己催眠法は自分自身に眠っている力を引き出す方法であり、その時点でできないことはできません。
例えば、普段運動していない人が300kgのバーベルを持ち上げることは不可能ですし、100mを9秒で走るのはできませんよね。
今の自分に無いものをできるようにするものではなく、普通にやっていることを、より十分に持っている能力を発揮する事でより確実により速く達成するとか、もともと力は持っているのに力みなどで十分に力が発揮されない場合、潜在的な力を発揮させることができるのです。
いくら潜在意識でも無い袖はふれません。
催眠は魔法や奇術ではありませんから、それが催眠の限界なのです。
そこのところは誤解している方が多いので、これらのことは知っておいた方がいいと思います。
自己催眠法をしてはいけない人
自己催眠法は習得すればとてもいい技術ですが、役に立たない場合や、してはいけない人がいます。
・小さい子ども
・知能の低い人
・統合失調症
・躁鬱病
・不安神経症
一般に自己催眠は自分を統制していく技術と言われており、自己統制能力が十分に育っていない人には役に立たないと言われています。
はっきり年齢で分けるのは難しいのですが、自己統制可能になってくるのは大体青年期以降と言われていますから、自己催眠で効果をあげることができるのはそれ以降の年代、ということになります。
大人になっても自己統制能力のない人、いますね。
自己催眠法は自分自身を見つめ、意識を内側に向ける技術ですから、統合失調症や不安神経症と言われている人たちにはやってはいけないとされています。
自分の体の症状が気になって気になってしょうがない人に、意識を内側に向けるようにすると余計症状が気になって症状を悪化させることもあります。
自己催眠法はうまく活用すれば素晴らしい方法
いかがでしたでしょうか。
自己催眠法でできること、できないことを書いてみましたが、皆さんの想像と違ったでしょうか。
今一度書きますが、催眠はとても素晴らしい方法ですが、魔法や奇術の類ではありません。
催眠状態という体も脳もリラックスした状態に導く心理技術です。
しかし、まだまだ催眠を魔法のように考えていて、思った暗示を言ってもらえればその場で変われると考えている方が少なくありません。
そんな催眠療法はどこにもありません。
それをできますなどと言って宣伝しているところには近づかないほうがいいでしょう。
お金と時間の無駄になります。
催眠療法は潜在意識を活性化して潜在している力を出すことはできても、その時点で持ち合わせていないものは催眠でも引き出すことはできなく、無ければ少しずつでも能力を育てていくしかないんです。
それでも催眠は素晴らしい力を持っています。
正しい知識が拡がり、適切な活用をしていただければと思います。