
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、腰痛の有病率はこの30年で約1.5倍に増加していると報告されています。
医療は進歩し、画像診断機器は高性能になり、治療法も増えました。
それにもかかわらず、なぜ腰痛を抱える人は減らないのでしょうか。
「構造=痛み」という前提
多くの方は、腰の変形や神経への圧迫が痛みの原因だと説明を受けます。
しかし実際には、
- 画像で異常があっても痛くない人がいる
- 画像で大きな異常がなくても強い痛みが出る人がいる
- ストレッチや運動、徒手療法、さらには“痛みの知識”を得ることで改善する人が多い
という事実もあります。
もし痛みが純粋に「骨の変形」だけで決まるのなら、こうした説明は成り立ちません。
痛みはもっと複雑な現象
現在では、腰痛は生物学的要因だけでなく、心理的・社会的要因も関与することが分かっています。
- 不安や恐怖
- 睡眠不足
- ストレス
- 運動不足
- 長時間同じ姿勢
- 「自分は悪い状態だ」という思い込み
こうした要素が重なることで、痛みは長引きやすくなります。
ハザ族の例から考える
タンザニアのハザ族は、1日に平均15kmほど移動しながら生活しているといわれています。
彼らに慢性的な腰痛は見られないという報告もあります。
もちろん単純比較はできませんが、
- よく歩く
- よく動く
- 自然な生活リズム
- 痛みへの過度な恐怖が少ない
といった生活背景は、ヒントになるかもしれません。
本当の「根本」とは何か
痛みが出ると、私たちは「どこが壊れているのか」に意識を向けます。
しかし本当の問題は、
- 生活習慣
- 体の使い方
- ストレス環境
- 痛みに対する認知
といった日常の中に潜んでいることも少なくありません。
誰かに「治してもらう」ことを待つよりも、
自分の生活を少し見直してみること。
そこに、腰痛が減らない理由と、改善の糸口の両方が隠れているのかもしれません。



