先日脊椎分離症ですと言われ腰痛を訴えて来られた患者さん、本日2回目の治療にいらっしゃいました。痛みは大分改善したそうです。本日は診察室に入ってくる時から表情が明るくなっていました。良かったですね、もう大丈夫そうです。
彼は高校生で野球部に所属しています。腰痛になって整形外科を受診したところ、レントゲン撮影して脊椎分離症と言われたそうです。初回うちに来た時は表情も少なく、とても落ち込んでいるように感じました。
脊椎分離症は疲労骨折だと言われていますから、分離した当初は痛いと思いますが、時間が経ったものは痛みの原因としては考えにくいのです。(過去記事:脊椎分離症と痛み)
気持ちが落ち込んでいると治療に対する反応も悪くなりやすいですし、痛みの回復も遅くなりやすいです。
ですから彼には初診時に脊椎分離症は腰痛の無い方にも腰痛ある方と比べて同程度存在すること、腰痛が無くても背骨や骨盤の異常はあること、痛みは電気現象だということ等を時間をかけて説明しました。
Bigos SJ. et al : Clin Orthop,1992
Oblique lumbar spine radiographs: importance in young patients.
私も高校時代は野球部に所属していましたが、大人の事情で辞めさせられたのです。ですから彼には痛みで野球を諦めるなどしてほしくありませんでしたから、説明にはつい力が入ってしまいました(笑)
制度の問題やらなにやらたくさんあるのですが、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎分離症、すべり症、変形性脊椎症などの疾患は実は筋肉の痛みだった、ということはよくあることです。
現状、皆さんが痛みの難民にならないためにはご自身でも痛みの勉強をする必要があると思いますが、一緒にがんばりましょう。