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痛みにとらわれ過ぎないようにするための考え方を身につける事も立派な治療になります
痛みに意識が向き続けてしまうと、どうしても回復はゆっくりになります。
実は「痛みとの向き合い方」を整えることも、立派な治療のひとつです。
私たちの思考には、誰にでも“くせ”があります。
その思考の偏りを少しずつ修正していく方法を認知行動療法といいます。
日々の臨床でお話を伺っていると、なかなか症状が改善しない方には、ある共通点が見られることがあります。
例えば、こんな言葉です。
- 「痛みがあるうちは、どこにも出かけられない」
- 「少しでも痛みが残っているうちは治ったとは言えない」
- 「この間はたまたま良かっただけで、やっぱり悪い」
これらは決して“弱さ”ではありません。
ただ、痛みに対する捉え方が少し厳しすぎる可能性があります。
正確な情報が伝わっていないと、人はどうしても最悪の方向へ考えが傾きます。
だからこそ、痛みのメカニズムを理解することがとても大切なのです。
よく見られる「認知のゆがみ」
以下のような思考パターンは、誰にでも起こり得ます。
■ 全か無か思考
物事を白か黒か、極端に捉えてしまう。
■ 一般化のしすぎ
一度の出来事を「いつもこうだ」と拡大してしまう。
■ 心のフィルター
悪い部分だけを取り出してしまう。
■ マイナス化思考
良い出来事を「たまたま」と打ち消してしまう。
■ 結論の飛躍
・心の読みすぎ:「返信がない=嫌われた」と決めつける
・先読みの誤り:「歩いたら悪化するかも」と否定的な未来を想定する
■ 拡大解釈と過小評価
失敗を大きく捉え、自分の回復や努力を小さく評価する。
■ 感情的決めつけ
「不安だから、きっと悪い状態だ」と感情を事実と混同する。
■ すべき思考
「〜すべき」と自分を責める、あるいは他人に向けて怒りを抱く。
■ レッテル貼り
一部の出来事から「自分はダメだ」と全否定する。
■ 個人化と責任転嫁
必要以上に自分を責める、あるいは他者に責任を求める。
痛みが長引くと、思考はどうしても防御的になります。
それは自然な反応です。
ただ、その思考のくせに気づき、少し視点を変えるだけで、身体の反応は大きく変わることがあります。
考え方を整えることは、
痛みを我慢することではありません。
痛みの仕組みを理解し、
必要以上に怖がらなくてよいと知ること。
それだけで回復は一段進みます。




