
慢性痛と睡眠障害
慢性痛を抱える方の多くに、睡眠障害がみられます。
そのため、睡眠と痛みの関係は重要な研究テーマとなっています。
ドイツ・ハイデルベルク大学の研究では、
健康な被験者に全断眠(徹夜)を行ってもらったところ、
- 痛覚過敏が誘発される
- 状態不安が高まる
ことが示されました(Pain誌 2013年)。
つまり、眠らないだけで痛みに敏感になるということです。
■ 臨床でもよく見られる現象
現場で患者さんのお話を聞いていると、
- 寝不足が続いている
- 夜中に何度も目が覚める
- 痛みで眠れない
というケースは非常に多いものです。
痛みがあるから眠れない。
眠れないからさらに痛みに敏感になる。
この悪循環は決して珍しくありません。
■ 心身一如
身体が休まらなければ、心も休まりません。
心が休まらなければ、身体も緊張し続けます。
睡眠は単なる休息ではなく、
神経系をリセットする重要な時間です。
睡眠不足の状態では、
- 交感神経が優位になりやすい
- 不安が高まりやすい
- 痛みの閾値が下がりやすい
という変化が起こります。
痛みと睡眠は相互に影響し合います。
■ まずは睡眠を整える
もし睡眠時間を確保できる環境にあるなら、
まずはしっかりと眠ることを意識してみてください。
それだけで、
痛みの感じ方が変わることがあります。
治療やセルフケアも大切ですが、
睡眠という基本を整えることは、
痛み対策の土台になります。
痛みと睡眠は切り離せません。
痛みを改善したいなら、
まずは「眠れているか」を見直す。
それが回復への第一歩になることがあります。
参考文献
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23707287



